【人生は移動距離で決まるのか?】社会学者・伊藤将人/全国3000人を調査→約半数が「自由に移動できない」/「成功者ほど多く移動する」に隠れた不平等/“移動格差”が生む分断【Human Insight】
📅 2025年8月8日
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移動と階級 (講談社現代新書 2774)
おすすめコメント
「移動」という斬新な切り口から、社会の格差や分断を読み解く一冊!
「移動する力」が実は特別な能力であり、「移動資本」として個人に蓄積されるものであると紹介されています。この資本は、住んでいる場所や学歴、所属する会社など、社会的な環境に大きく左右されるそうです。
- 移動の自由を感じていますか?
- •実は、調査によると日本人の約半数が「自分は自由に移動できない」と感じていることが明らかになったとか。
- •経済的な理由だけでなく、性別役割による子育てや介護、心身の障害なども、移動を制約する大きな要因として語られています。
- 「成功したいなら移動せよ」という言葉の裏側
- •好きな時に好きな場所へ移動できることは、実は限られた特権的な能力であると指摘されています。
- •移動できない状況にある人の立場を考えず、「移動しないのが悪い」と結論づけるのは、成功者のバイアスが隠れているのかもしれないと説明されています。
- 私たちの身の回りにある「移動格差」
- •日常の通勤・通学から、旅行、そして引っ越しや移住まで、あらゆる「移動」をテーマにしています。
- •例えば、テレワークができる人とできない人の間にも、住む場所の選択という点で格差が生まれていると紹介されています。
- •仕事で海外へ行くような「モビリティ・グローバルエリート」と呼ばれる層はごく一部で、多くの人は限られた範囲で生活しているという実態も見えてくるそうです。
より公正な社会を考えるための視点「モビリティジャスティス」
高速道路の建設が誰かにとっては便利でも、他の誰かにとっては不利益になることがあるように、ある施策が多様な人々にとって公正(ジャスティス)かどうかを問い直す視点が重要だと語られています。
この本を読むと、「これは自分のことだ」と感じる場面が多いと反響があるそうです。
「どうすれば解決できるか」という方法論(How to)の前に、「そもそも移動とは何か」「なぜ格差が生まれるのか」といった根本的な問いについて深く考えるきっかけとなり、自分がいかに恵まれた立場にいるかを自覚させられる一冊だと紹介されています。
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