中野優作・読了 約11分

BUDDICA・中野優作さんのおすすめ本3選|厚みのあるビジネスマンになるための半沢直樹シリーズ、『ビジョナリー・カンパニー』、『竜馬がゆく』

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この記事に出てくるもの

5点

中古車販売BUDDICAの社長、中野優作さんが、YouTubeで、厚みのあるビジネスマンになるための本を3つ紹介していました。司馬遼太郎さんの作品でいちばん好きだという『国盗り物語』の話も出ています。

こばん
こばん

小説も入ってるんだ。

しゅり
しゅり

半沢直樹シリーズと『竜馬がゆく』が小説です。薦めた理由と一緒にまとめました。

厚みのあるビジネスマンになるための本

中野さんの言う厚みのあるビジネスマンは、部下に信頼され、上司にかわいがられ、志を持った迫力のある人のことです。器用にタスクをこなす仕事ぶりとは別の話で、どちらが上ということではないそうです。

これまでは、本はアウトプットを前提に読むもので、おすすめを聞かれても、その人の課題が分からないと答えられない、と思ってきたそうです。それでも人生にプラスになる本はある、と言って挙げたのがこの3つです。

1つ目:半沢直樹シリーズ|悪役まで実在しそうで、人それぞれの立場が見えてくる

池井戸潤さんの、銀行員の半沢直樹が主人公の小説シリーズです。中野さんは、ビジネス書として読むならデビュー戦にいちばんいいのでは、と話していて、まず読みやすいところから選んだそうです。

作者の池井戸さんがもともと銀行員だというのも、中野さんが薦める理由の1つで、融資のために会社の決算書や社長のお金の使い方まで見てきた人が書いている、と話していました。

この小説のいいところとして中野さんが挙げたのは洞察力が高まることで、ビジネスの厚みを出すには、タスクをこなすことより、人の気持ちが分かることが大事だからです。主人公に憧れるだけの物語と違って、池井戸さんの小説は、悪役の大和田常務まで「おるおるこんなやつ!」と思えるように描かれているので、主人公以外の人の立場まで見えてくるそうです。

こばん
こばん

つまり、読みやすくて、銀行を知っている人が書いていて、人の立場が見えてくる小説ってことね。

中野さんの推しポイント

  • 不正をしてしまう人の事情が分かる——同情ではないけれど、登場人物に感情移入すると、理屈は分かる
  • 悪が必ず成敗されるわけではないと分かる
  • 嫌いな相手とも、目的のためなら手を組む必要があると分かる——エンタメとして面白かった、で終わらせず、社会ってそういうものだと読める
  • ドラマでもいいけれど、本のほうが少し深い——本は半分を読み手が作るもので、登場人物の誰かに気持ちを重ねて読める
ドラマと本
  • 2013年のドラマの原作:1作目『オレたちバブル入行組』と2作目『オレたち花のバブル組』
  • 中野さんが「手を組む」の例に挙げた、大和田常務が味方ではないけれど半沢と共闘する場面:2020年の続編のドラマのもので、この2冊には出てこない

悪が必ず成敗されるわけではない、という点では、中野さんは自分の話もしていました。前にいたビッグモーターの不正を言わなかったのは、「言ったら消されて終わり」だからで、力をつけてからやるしかないそうです。

しゅり
しゅり

池井戸潤さんの経歴は知りませんでした。元銀行員の方が書く銀行員の話なんて、絶対面白いです。中野さんの言うように、社会ってそういうもの、というのがリアルに書いてあるそうです。正直いままでは、ドラマが流行っていたことくらいしか知らなかったけれど、絶対読みたいです!

それに、世の中って本当に理不尽だなあと思うことがありますが、これを読んでおけば、いちいち動揺せずに「半沢直樹で見たやつだ」となれそうです。笑

池井戸潤

オレたちバブル入行組(文春文庫)

オレたちバブル入行組(文春文庫)

支店長の命令で通した5億円の融資が、相手の会社の倒産で焦げつきます。その責任を一人で負わされそうになった大阪西支店の融資課長・半沢直樹が、貸したお金を自分の手で取り戻そうと動き出す、シリーズの1作目です。

出版社
文藝春秋
刊行
2007年12月
仕様
文庫・368ページ
楽天評価
4.2/5(1,320件)
値段
定価 ¥770

動画には、1作目と並んで2作目の『オレたち花のバブル組』の表紙も映っていました。

池井戸潤

オレたち花のバブル組(文春文庫)

オレたち花のバブル組(文春文庫)

本部の営業部門に移った半沢が任されたのは、巨額の損失を出した老舗、伊勢島ホテルの再建でした。金融庁の厳しい検査に備えながら、赤字のホテルに貸し続けてきた銀行の中に、裏があると疑いはじめます。銀行から別の会社に出向した行員が、そこでつらい目にあう話も並んで進む、シリーズの2作目です。

出版社
文藝春秋
刊行
2010年12月
仕様
文庫・368ページ
楽天評価
4.3/5(969件)
値段
定価 ¥770

2つ目:ビジョナリー・カンパニー|長く続く会社の共通点を調べた、組織を大きくする人の必読書

『ビジョナリー・カンパニー』は「結構ちゃんとしたビジネス書」で、読まないのは「もったいない」、経営者でこれを読んでいなかったら「ちょっとダメやと思う」とまで中野さんは話していました。

中野さん

こんな人に

  • こんな人に:会社の組織を大きくしていく人(例えば100人以上の組織を作るなら)

サイバーエージェントの藤田晋さんもこの本を読んで起業を決めたらしい、と中野さんは話していました。藤田さん自身も、会社のビジョン「21世紀を代表する会社を創る」という大きな夢を持つきっかけになった本だと書いています。

この本で有名なフレーズは、中野さんによると「時を告げるな時計を作れ」で、時を告げる天才を雇うより、誰でも時刻が分かる時計、つまり長く続く会社の仕組みを作れという話です。

中野さんが挙げた、長く続く会社の共通点(本にはほかにもあるそうです)
  1. 挑戦的な目標を常に置き、守りに入らず攻めている
  2. 理念が浸透している——理念の中身は会社ごとにばらばらで、共通しているのは浸透していること
  3. カルトのような組織風土がある——社員の同質性が高い
  4. 狙って当てにいかず、大量に試して、うまくいったものを残す——キリンの首が長くなったのではなく、長く生まれたキリンが残った、という進化論と同じ考え方

中野さんは、この本から受け継いで、理念の浸透とカルトのような組織風土をBUDDICAで実践しているそうです。理念は全員が言えて、全体集会もあえて外に見せていて、宗教のようだと書いてくる人がいても、完全に狙ってやっている、と話していました。

中野さん宗教っぽく見えるくらい同質性が高い組織について
「

組織として完璧

」

中野さんによると、この本は時代を超えて読み継がれることを目指して書かれているので、書いてあるのは時代に関係なく通じる普遍の定理だけで、会社経営の上で1つも間違いは無いと思うそうです。動画に映った表紙は、シリーズ1作目の『時代を超える生存の原則』でした。

しゅり
しゅり

読まないともったいない、と言われると、絶対に読みたくなります!

それに、エンジニアで個人開発もやっている私には、「時を告げるな時計を作れ」が、自分でつくるプロダクトを考える新しい視点でした。

ジム・コリンズ、ジェリー・ポラス

ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則

ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則

ソニーやヒューレット・パッカード、3Mなど、1950年より前に生まれた18社を、それぞれの競合の会社と比べた研究です。飛び抜けたアイデアやカリスマのような指導者がいなくても会社は長く続き、それを支えていたのは利益を超えた「基本理念」だったと書いています。原著は1994年です。

出版社
日経BP
刊行
1995年9月
仕様
単行本・472ページ
楽天評価
4.2/5(422件)
値段
定価 ¥2,750

3つ目:竜馬がゆく|命がけで時代を変えた人たちに、中野さんは事業の覚悟を重ねる

『ビジョナリー・カンパニー』の話のあと、最後はエンタメにしよう、と中野さんが挙げたのが、司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』で、幕末の坂本竜馬が主人公の長編小説です。この本で素晴らしいと話したのは、何のために生きているのかという死生観です。ただ、死生観を学ぶための本ではなく、単純に面白い本なのだそうです。物語の中の竜馬のすごさとしては、こんなところを挙げていました。

中野さんの推しポイント

  • 竜馬は、迷いながらも現場を見に行き、いろんな人に会いに行く——その人間力で、味方が増えていく
  • お金集めもうまい——戦いには金がいる
  • 仲の悪い薩摩藩と長州藩に、目的が1つならと手を結ばせる
  • すべてを捨てて、命がけでやる——言葉1つ間違えれば殺され、仲間も死んでいくなかで

中古車の業界を変えることを、中野さんは「流通革命」と呼んでいます。革命は、フランス革命のように今の王者に取って代わることなので血が流れ、江戸時代を終わらせた人たちのように、革命を起こす人は死ぬものだ、と話していました。いまの時代、業界にものを言っても命までは取られませんが、中野さん自身にも、社会的な死や、会社がかなり危ない目にあうことはありうるそうです。それでも、その覚悟を持ってやると話していました。

使命(ミッション)は「使う命」と書くとおり命の使い方で、BUDDICAのミッションに命をかけていると思うと、事業に腰が入る、というのが中野さんの考えです。司馬遼太郎さんの作品は命がけの話だから、ビジネスマンの厚みはそこから学べるのではないか、とも話していました。

司馬遼太郎

竜馬がゆく(一)(文春文庫)

竜馬がゆく(一)(文春文庫)

土佐の郷士の家の次男坊に生まれ、藩を離れた浪人の身で幕末に大きな仕事をなしとげた坂本竜馬の生涯を軸に、同じ時代の若い志士たちを描く長編です。文春文庫の新装版は全8巻で、その第1巻です。

出版社
文藝春秋
刊行
1998年9月
仕様
文庫・448ページ(全8巻)
楽天評価
4.5/5(702件)
値段
定価 ¥869

番外:国盗り物語|中野さんがいちばん好きな司馬作品で、起業のやり方そのもの

『竜馬がゆく』の話の続きで挙がったのが『国盗り物語』で、動画には新潮社の単行本の前編が映っていました。

物語の前半は、美濃のマムシと呼ばれた斎藤道三(織田信長の妻の父)が、寺で修行した貧しい坊主の身から、国を盗って大名になる話です。中野さんは「これ起業のやり方そのものなわけ」と話していて、道三はまず油屋の未亡人と結婚して元手を手に入れ、商売で人気を集め、大名に近づいていくそうです。

中野さんの話では、道三は人生をかけて手に入れたものを失っても、一度でも頂上を見られただけいい、と受け止めます。会社も人生もそういうもので、1回1回に一喜一憂せず、「まぁええやん」でいい、と中野さんは話していました。道三の話で、中野さん自身の「捨て身力」が養われているそうです。

こばん
こばん

つまり、国を盗るまでが起業そのもので、失っても頂上を見られたならいい、ってことね。

しゅり
しゅり

そうなんです。一喜一憂せずに「まぁええやん」の精神、いいなあと思いました。これも読みたいです!

司馬遼太郎さんの作品には、中野さんが「ちょっと打算的」と断りながら挙げた良さもあります。55歳くらいから上の一流のビジネスマンはみんな司馬作品が好きなので、好きだと言って、この動画で中野さんがしたような司馬作品の話ができれば、上場企業を創業した60歳・70歳の経営者とも朝まで飲んで話せるそうです。

司馬遼太郎

国盗り物語(一)(新潮文庫)

国盗り物語(一)(新潮文庫)

のちの斎藤道三となる松波庄九郎は、京の寺で知恵者として知られた僧でした。寺を出て、油を商う奈良屋の財産を手に入れ、国盗りの拠点に美濃を選び、美濃を治める土岐頼芸に重く用いられるまでを描く第1巻です。新潮文庫は全4巻で、後半の2冊は織田信長の話です。

出版社
新潮社
刊行
1971年12月
仕様
文庫・544ページ(全4巻)
楽天評価
4.3/5(199件)
値段
定価 ¥1,045

動画の本との違い:本の形・巻の分け方動画の本は新潮社の単行本『国盗り物語 前編 斎藤道三』。単行本の前編(斎藤道三)は、文庫では1・2巻にあたります。本文を変えたという記載はありません。

こばん
こばん

今回のぶん、台帳につけたよ。

こばんの台帳

今回の記録:中野優作さんの動画(30分46秒)を視聴。記事に載せた5冊(半沢直樹のシリーズ2冊、『ビジョナリー・カンパニー』、『竜馬がゆく』の第1巻、『国盗り物語』の第1巻)の内容紹介と、版と定価を確かめた。 結論:30分46秒の視聴で、読みたい本が見つかった(半沢直樹シリーズ、『ビジョナリー・カンパニー』、『国盗り物語』)。記事に載せた本のうち、『国盗り物語』だけは動画に映った単行本ではなく文庫の第1巻で、ほかは動画と同じ本がいまも定価で買える。

しゅり
しゅり

中野さんの話が分かりやすくて、難しい言葉もなく、引き込まれて30分あっという間でした。読みたい本が一気に増えてしまいました(幸せなことです)。

出典・書誌の確認先

藤田さんと堀江貴文さんの共著『心を鍛える』(KADOKAWA)の一部を再編集した、PRESIDENT Online「「土日もGWも夏休みも要らない」藤田晋氏が若手時代、鬼のように働いた深い理由」(2022年3月5日)に、藤田さんの言葉で「サイバーエージェントのビジョンは『21世紀を代表する会社を創る』というものですが、そんな大それた夢を持つようになったのは、ある本との出会いがきっかけでした。バイト先の広告代理店、オックスの社長の愛読書『ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則』(ジム・コリンズ、ジェリー・ポラス著/日経BP社)です」とあります(2026年10月21日確認)。

池井戸潤さん本人のインタビュー(講談社文庫「池井戸潤」)で「三十二歳のとき、新たにやってみたいと考えていたビジネスを始めるため、七年間勤めた銀行を辞めました」、宣伝会議「編集会議」2011年秋号のプロフィールに「三菱銀行(当時)を経て独立」とあり、続けて「コンサルタント業のかたわら金融系のビジネス書を精力的に執筆。98年、一作目の小説となる『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞受賞」とあります(2026年10月21日確認)。

TBS『半沢直樹』(2013年)の原作は「オレたちバブル入行組」と「オレたち花のバブル組」、2020年版は『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』です。池井戸さんは現代ビジネス(2020年7月19日)で、2020年版について「大和田常務の再登場など、原作にはない展開が用意されていて」と話しています(2026年10月21日確認)。

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