
生物から見た世界 (岩波文庫 青 943-1)
【名著】生物から見た世界|なぜ僕らは“わかり合えない”のか?~生物学者ユクスキュルが暴いた『世界の嘘』~
アバタローさんが紹介
おすすめコメント
「今一押しの古典!」として紹介されている一冊だそうです。
自然や動物が好きな方はもちろん、以下のような悩みや考えを持つ方におすすめされています。
- •職場や家庭で話が噛み合わず、価値観のずれを感じている
- •今の仕事や日常に意味を見出せない
- •固定観念に縛られない柔軟な思考を手に入れたい
自分だけの世界「環世界」という視点
本書では、あらゆる生き物は客観的な一つの世界にいるのではなく、それぞれが独自の方法で世界を体験しているという「環世界」という概念が提唱されているとのこと。
例えば、マダニの環世界は以下の3つのシグナルだけで成り立っていると説明されています。
- •酪酸の匂い:落下せよという命令信号
- •毛の抵抗:その場で這い回れという行動司令
- •皮膚の温度:吸血せよというシグナル
鳥のさえずりや風に揺れる木々など、人間には知覚できる無数の情報も、マダニにとっては存在しないのと同じだとか。
これは、生物が単なる機械なのではなく、自らにとって価値ある情報だけを選び取り、意味付けして行動する「主体」であることを示しているそう。
そして「環世界の貧弱さは行動の確実さの前提であり、確実さは豊かさよりも重要である」という、ハッとさせられる視点も紹介されています。
時間も目的も、主体が決める
「生きた主体なしに時間は存在しない」という衝撃的な考え方も提示されています。時間とは絶対的なものではなく、それぞれの生き物の主観によって流れが生まれるものだそうです。
また、生物の行動は「散乱したい」といった人間的な目的意識によるものではなく、あらかじめ自然に組み込まれた「設計」によるものだと捉えるべきだと主張されています。
人間関係や生き方を見つめ直すヒントに
この「環世界」の視点は、人間同士の不毛な衝突や誤解を読み解く重要なヒントになるとのこと。
他者の理解しがたい言動も、自分とは「異なる環世界の声」として冷静に受け止められるようになるかもしれません。
さらに、本書は「意味は初めからあるのではなく、動きの中で見出される」ということを教えてくれるそうです。
社会との向き合い方、他者との関わり方、そして自分自身の生き方を根本から見つめ直す深い問いを与えてくれる一冊として紹介されています。
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