
透析を止めた日
【要約】透析を止めた日【堀川惠子】
フェルミ漫画大学さんが紹介
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透析患者たちのリアルを教えてくれる一冊として紹介されています。著者の夫が37歳で透析患者になった経験から、その大変さや苦悩が具体的に語られているそうです。
この本を読むことで、以下のような透析患者が直面する現実を知ることができるだとか。
透析中心の生活
- •1回4時間、週に3回という高頻度での通院が死ぬまで必要になるそう。
- •通院や準備を含めると1回あたり最低でも4時間半から5時間はかかり、年末年始や非常事態であっても続けなければならないと説明されています。
- •1回の透析はフルマラソンに匹敵するほど心臓や体に大きな負担がかかるとも言われているそうです。
身体的な苦痛と変化
- •毎回、血液検査の針の約2倍の太さの針を刺す必要があり、痛み止めのテープを貼っても痛いのだとか。
- •週3回の注射を同じような場所に打ち続けるため、腕に直径2~3cm以上のコブ(シャント瘤)が山脈のようにできてしまうことがあるそう。著者の夫は、このコブを隠すために真夏でも長袖を着ていたと紹介されています。
厳しい食事・水分制限
- •腎臓が機能しないため、水分が体に溜まり、ひどい場合は肺に水が溜まって呼吸困難を引き起こすこともあるそうです。
- •著者の夫の場合、1日の水分摂取量は500mlに制限されていたとのこと。
- •水分だけでなく、リンやカリウムを多く含むバナナなどのフルーツや野菜、肉、魚なども制限されるため、食事管理が非常に難しいと語られています。
さらに、透析治療を取り巻く社会的な問題にも触れられているそうです。
- •年間一人あたり約500万円もの医療費がかかることから、「自業自得」といった誹謗中傷の問題があること。
- •透析から逃れる唯一の方法である腎臓移植は、希望しても少なくとも15年以上待たなければならないという現実。
そして、この本で最も伝えたいメッセージとして、がん患者以外は緩和ケアを受けられないという問題が挙げられています。著者の夫は、痛みで透析治療の継続が困難になったものの緩和ケアを受けられず、人生最後の1週間、人生で最大の苦痛を味わって亡くなっていったそうです。この経験から、病気の種類に関わらず誰もが穏やかな最期を迎えられるよう、緩和ケアを広げていきたいという強い思いが込められていると紹介されています。
また、一般的な血液透析だけでなく、自宅ででき、体への負担や痛みが少ない腹膜透析という選択肢があることも知ることができる一冊だとか。
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