首都直下 南海トラフ地震に備えよ (SB新書 654)

災害に対する正しい科学的知識が身につき、何が起こっても冷静に対応できる力が養われる本として紹介されています。陰謀論やただ不安を煽るものではなく、科学的な事実に基づいている点が特徴だそうです。

日本列島で暮らす私たちが、今後どのような事態に備えるべきか、その具体的な内容が解説されています。

• •東日本大震災はまだ終わっていないという真実が語られています。最大でマグニチュード8.0クラスの余震が来る可能性が統計的にも明らかになっており、再び大津波が襲ってくる危険性も消えていないとされています。
• •30年以内に70%の確率で起きる首都直下型地震によって、一発で首都圏の機能が崩壊し、日本全体が沈没してしまう恐れがあると説明されています。
• •南海トラフ巨大地震によって富士山が噴火し、首都圏の機能が完全にストップする可能性があるということです。火山学的に見ると、富士山は近い将来100%の確率で噴火するとされています。

こうした災害に対して、ただ怯えるのではなく知識を身につけて「正しく恐れる」ことが重要だとされています。被害を最小限に抑え、巨大地震を生き延びるための実践的な知恵として、意外な準備も紹介されています。

• •まず、自盤の良い場所に住むことが一番大事だとされていますが、それが難しい場合は家の中の状況を改善することが推奨されています。余計なものを断捨離し、家具を固定することの重要性が語られています。特に寝室には頭の上に落ちてくるものを一切置かないことが、命を守る基本だとか。
• •全てを失っても生きていけるよう、生活をミニマム化するという準備も必要だとされています。あり合わせの材料で目的を達成する「ブリコラージュ」の発想こそが、これからの時代に求められる大切な姿勢であると説明されています。

日本に住んでいる限り巨大地震は避けられないからこそ、今すぐにできる備えをしておくことが重要だとされています。