
ラーメンと瞑想
【批評家・宇野常寛】“ラーメン”で世界と関わり、“瞑想”で自分を肯定する/「何者でなくていい」/現代は自己実現として“父”が実現できない【1on1】
TBS CROSS DIG with Bloombergさんが紹介
おすすめコメント
『庭の話』の実践編として紹介されている一冊だそう。
現代社会で私たちを縛る「市場からの評価」や「共同体からの承認」といったものから距離を置き、他人からの評価に依存しない世界との関わり方を見つけるためのヒントが詰まっていると説明されています。
なぜ「ラーメン」なのか?
キーワードは「物と向き合う」ことだとか。
- •ラーメンを食べる際のトッピングの工夫や麺の量の調整といったカスタマイズは、単なる食事ではなく「食べるという行為を自分で作っている」ことだと紹介されています。
- •麺が伸びるというタイムリミットがあるため、食べる人をとにかく目の前の一杯に集中させ、強制的に孤独にする魔力があるそう!
- •誰かと一緒でも着丼した瞬間から会話はなくなり、全力でラーメンと向き合うしかない。この純粋な「物」との関わりが、評価社会から離れるための第一歩になると説明されています。
なぜ「瞑想」なのか?
もう一つのキーワードは「何者でもなくてもいいと思えること」。
- •私たちは「何者かになりたい」という欲望に駆られがちですが、それと同じくらい「何者にもなりたくない」という欲望も持っていると指摘されています。
- •瞑想は、一人で自分の内面と向き合い、他者との比較から解放されるための回路だとか。
- •それは、無条件で自分を素晴らしいと思えるような健全なナルシシズムを育むことにも繋がると紹介されています。
「ラーメン」と「瞑想」、二つで一つの回路
「ラーメンには瞑想が必要で、瞑想にはラーメンが必要」だと語られています。
ラーメン(物との関わり)を支えにするには、「何者かになりたい」という欲望を断ち切るための瞑想が必要であり、逆に瞑想で得た自己肯定感を確かめる場として、ラーメンのような具体的な物との関わりが重要になるそうです。
この本は、SNSで誰かに毒づくことでしか自分を保てない人や、自分が何者であるかを常に問われることに疲れた人に「今あなたに必要なのはラーメンと瞑想です」と強く勧められています。
※本書の大部分は、中年男性2人がただただ美味しそうにご飯を食べているだけの記録で、そのギャップもまた魅力だと紹介されています。
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