ＩＯＷＮの正体　ＮＴＴ 限界打破のイノベーション

「データ爆発」と「電力危機」という現代社会が直面する課題を解決する可能性を秘めた「IOWN構装」について、その正体を解説する一冊として紹介されています。

この構想が掲げる目標はとんでもないものだそうです。

• •電力効率を100倍に（消費電力が1/100に）
• •伝送容量を125倍に
• •遅延を1/200に（動画内では1/2と紹介。すでに達成済みとのこと）

AIやIoT、メタバースの普及でデータ量が爆発的に増加し、電力不足が懸念される未来において、その問題を一気に解決するかもしれない革新的な技術だとか。これは、従来のインターネットの延長線上にはない、全く新しい通信インフラの登場を意味するそうです。

IOWN構想は、主に以下の3つの要素で構成されていると説明されています。

• •オールフォトニクス・ネットワーク（APN）: 通信の末端まで全てを光信号で統一し、高速・低消費電力・低遅延を実現する基盤技術。
• •デジタルツイン・コンピューティング: 現実の世界を仮想空間にそっくり再現し、未来予測やシミュレーションを可能にする技術。
• •コグニティブ・ファウンデーション: あらゆるICTリソースを最適に調和させ、必要な情報を自動的に流通させる仕組み。

これらは単なる技術の話にとどまらず、ネットワークからコンピューティング、AIまでを再設計する壮大なエコシステムであるとのことです。

IOWNが実現すると、私たちの「当たり前」が大きく変わる可能性があると紹介されています。例えば、遠隔地にいる漫才師の掛け合いが、まるで目の前にいるかのように寸分の狂いもなくテンポよくできるようになったり、自動運転の安全性が飛躍的に向上したりする未来が描かれています。大阪・関西万博では、遠隔地の3D映像だけでなく、触覚（振動）までもリアルタイムで伝える実験に成功したそうです！

本書では、過去の「iモード」が世界で普及しなかった反省を活かし、今回はIntelやソニー、Google、Microsoftといった世界の巨大企業を巻き込んだ「IOWNグローバルフォーラム」を設立し、オープンなエコシステムとして世界展開を目指している点にも触れられています。

「IOWNって何？」という基本的な疑問から、NTTが目指す未来までがよくわかる一冊だとか。特に、NTTの株主であれば是非とも知っておきたいトピックであり、企業の中長期的なイノベーションへの取り組みを知る上で、非常に勉強になる内容だと紹介されています。