
ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックス)
【ゴールデンカムイ超解説】”ゴールデンカムイ監修”中川裕×”書評家”三宅香帆で語る「監修秘話・アイヌ精神文化の核心とは?」(第1回/全2回)
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この作品は、連載当時から理想の男性のタイプは「杉本」です!と語られるほど愛されているそうです。多くの人がこの作品を通して初めてアイヌ文化に触れたといい、アイヌ研究が盛り上がるきっかけになるのでは、とも期待されています。
ストーリーの素晴らしさは、これが「罪悪感の話」である点にあると紹介されています。
- •戦争で自分だけが生き残ってしまった罪悪感を抱える杉本。
- •あるいは、所属していた集団が滅びたのに生き残ってしまった人物たち。
そうした登場人物たちが、アイヌの少女アシㇼパと出会い、「カイ」という独特な思想に触れることで、その罪悪感が少しずつ癒されていく物語なのだとか。
日露戦争という歴史的背景にアイヌ文化を組み合わせた点が日本文学の中でも新しいと評され、夏目漱石や村上春樹にも通じる日本文学史の「罪悪感の物語」の一つであるとまで言われています!
物語の面白さの核は、全く違う世界観を持った二人の交流にあるそうです。
- •アシㇼパ:動物を殺すことに躊躇がない。それは、動物や植物、道具にすら魂が宿るという「カイ」の世界観に基づいているため。
- •杉本:戦争では人を殺してきたのに、動物は殺すことができない。
この二人が手を取り合い、互いの考え方を理解していく過程が描かれています。特に、杉本が仕留め損ねた鹿をアシㇼパが解体し、そのお腹に手を入れて「鹿の体温がお前を生かす」と語るシーンは印象的だと語られています。
この物語は、「役割があるから生きている」のではなく、「生きていることで役割が生まれる」という考え方に触れさせてくれるそうです。生き残った側の罪悪感をどうケアするか、という問いに対して一つの答えを示してくれるようで、今の時代の人に響く理由もそこにあるのかもしれない、と紹介されています。もしかしたら、今の日本に足りていない考え方が描かれているのかもしれません。
ちなみに、作中のアイヌ語のセリフは、アイヌ語監修者がすべて作っているとのことです。
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