マッチ売りの少女/人魚姫: アンデルセン傑作集 (新潮文庫)

お金をひたすら貯金してしまう人におすすめの一冊として紹介されています。

この物語に登場するマッチ売りの少女は、一瞬の夢を見るためにマッチをすり続けます。この行為は、一瞬の安心感や充実感を求めて貯金を続ける行為と、根っこは同じなのではないか、と説明されています。
浪費というマッチをすり続ける人も、貯金というマッチをすり続ける人も、根源的には「生きる不安」を抱えており、それを解消するために一瞬の幸せな幻想を求めているのだとか。

そして、『マッチ売りの少女』は必ずしもかわいそうなだけの話ではない、という見方も示されています。

• •マッチをすり続けることで、少女は夢を見ていられた。
• •現実が凍えるほど寒いなら、マッチをすっていた方が良いのではないか。

そのため、マッチ売りの少女はかわいそうだとは思わないそうです。

もしかしたら私たちの人生は、死ぬまでマッチをすり続けることなのかもしれないと語られています。
貯金というマッチ、恋愛というマッチ、仕事というマッチ…人それぞれが持つ「マッチ」をすり続けることを、この物語は肯定してくれるのかもしれません。後悔しないのなら、それは無駄ではなかったと思えるそうです。