イノベーション・オブ・ライフ: ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

世界最高峰のビジネススクール、ハーバード・ビジネススクールのクリステンセン教授による、卒業生へ向けた「最高の人生」を送るための講義から得られた洞察をまとめた一冊として紹介されています。

一般的なビジネス書とは一味違い、ビジネスではなく人生にイノベーションを起こすための本だそうです。金銭の最大化よりも、幸福なキャリアや人生を歩むにはどうすれば良いか、経営学のノウハウを用いて解説されている、非常に面白い内容だとか。

本書では、幸せで成功するキャリアを歩むためのヒントとして、以下の理論や戦略が紹介されています。

• 二要因理論（動機付け理論）

  • •仕事への満足に関わる動機付け要因（やりがい、自己成長など）と、不満に関わる衛生要因（報酬、安定など）は別々の尺度であり、そのバランスが重要だと説明されています。
  • •高収入でもやりがいがなければ幸福には直結せず、逆にやりがいがあっても生活が不安定では不満が募るとのこと。多くの人が陥りがちな「衛生要因の罠」についても解説されています。

• 創発的戦略

  • •キャリア形成においては、計画的な「意図的戦略」だけでなく、偶然の機会を活かす「創発的戦略」も重要だとされています。
  • •特に天職に出会うまでは、人生で実験するような姿勢で、予期せぬ機会に挑戦してみることが大切だそうです。

キャリアだけでなく、人生の幸福に不可欠な人間関係についても、ビジネスケースを元に解説されています。有名な「ミルクシェイクの用事」の事例が紹介されており、顧客が商品を「どんな用事を片付けるために雇っているのか」を理解することの重要性が説かれています。この考え方は人間関係にも応用できるそうで、パートナーや子供など、相手の本当の用事（求めていること）は何なのかを見極めることの大切さが学べるそうです。

その他にも「子供とテセウスの船」や「経験の学校」など、経営学のエッセンスから人生を最高にするためのヒントが詰まっていると紹介されています。過去にビジネスケースを学んだことがある人にとっては、より深い洞察を与えてくれるような読書体験が得られ、心に多くの言葉が残る一冊だったそうです！