アセットアロケーションの最適化　ポートフォリオの構築とメンテナンスのための統合的アプローチ

プロの投資家や経験豊富な個人投資家向けに、アセットアロケーション（資産配分）を専門的に突き詰めた本として紹介されています。
AIにはできない、自分だけの「手作りのポートフォリオ」の作り方が学べる、非常に読み応えのある一冊だそうです。

本書の肝となる手法は「トップダウンアプローチ（ハンドクラフト法）」と呼ばれており、アセットクラス（株式、債券、オルタナティブ）の比率から地域、国、セクターへと、上から順番に比率を決めていく方法が解説されています。
このハンドクラフト法で組んだポートフォリオは、一般的な時価総額加重平均のポートフォリオよりも優れた結果を出すシミュレーションも紹介されているとか！

その他にも、ポートフォリオを構築する上で非常に重要な考え方が、豊富なデータと共に多数紹介されています。

• •リターンは「3術平均」ではなく「価平均」で考えるべきだと説明されています。価平均の方がより長期的に現実的な数字を示しており、この違いを知らないと手数料の高い商品を掴まされるリスクがあるそうです。
• •複数の資産を比較する際には、リスクを考慮した「シャープレシオ」を使うことで、より合理的な判断ができるようになるとのこと。
• •株式100%のポートフォリオは、実は最適ではないと指摘されています。リターンを最大化したいリスク許容度の高い人であっても、株式8割・債券2割のポートフォリオの方が、リターンはほぼ同じでリスクだけを低減できるため、「選ぶ価値がない」とまで言われているそうです。

投資家のリスク許容度に合わせて、5つのタイプ別に具体的なポートフォリオの事例も示されているため、自分に合った資産配分を見つけるための大きなヒントになるようです。
Kindle版で778ページと非常にボリュームがありますが、その分、株式、債券だけでなくオルタナティブ資産の組み入れ方まで網羅されています。

この本を読んだことで、

• •株式100%ポートフォリオを卒業するきっかけになった
• •時価総額加重平均が最強ではないということが改めて分かった
• •自分なりのポートフォリオを実践していこうという思いが芽生えた
  など、これまでの投資の常識を見直すきっかけにもなる内容だそうです。

アセットアロケーションに特化した本は非常に珍しく、何度も読み直したい貴重な一冊として紹介されています。