幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF 341)

中学時代に読んで感動し、大人になってから再読したところ、一夜で読み終えてしまうほど素晴らしくて！と紹介されている一冊だそうです。

30代、50代、60代と読む年代によって面白さが変わり、時代とともに刺さり方が違ってくる名作で、特に「今、皆さんに読んでほしい」本として推薦されています。

この物語が描く未来の世界が、現代社会、特にSNSと共に生きる世代の価値観と驚くほどリンクしている点が挙げられています。

物語では、異星人の到来から50年後、人類の次世代はより良い人間へと「進歩」するという期待を裏切り、私たちの理解を超える存在へと変貌していく様子が描かれているそう。

• •次世代の子供たちは個を失い「集合体」のような存在になり、それはもう「人」とは呼べないものになるのだとか。
• •この描写が、現代のSNS世代に見られる、やたらと共感を求めたり、横並びであろうとしたりする「共感覚」のようなものと重なって見えたそうです。
• •目立つことや人を傷つけることを極端に嫌い、欲望を抑える傾向や、「みんなで平和になりたい」と願う現代の風潮は、まさにこの物語の世界観に通じるものがある、と説明されています。
• •例えば、美容整形においてかつてのように「誰よりも際立つ美人」を目指すのではなく、「みんなと同じ顔になりたい」と流行の顔を求める現代の価値観は、この物語で描かれる未来そのもののようだ、と感じたそうです。

このように、半世紀以上前の古典SFでありながら、現代社会や私たちの未来を鋭く映し出す鏡として読むことができ、大きな驚きと発見がある一冊として紹介されています。