
可及的に、すみやかに
読書家が最近読んだ10冊【ゲスト:村田沙耶香さん】【2025年3月】
ほんタメさんが紹介
おすすめコメント
「可及的に、すみやかに」という、かっこいいタイトルが印象的な一冊として紹介されています。タイトルに点が入っていることや、「速やかに何が起きるんだ?」という、内容がすぐにはわからない感じが魅力だとか。
この本は連作2編で構成されているそうです。
1つ目の物語の主人公は、離婚を機に子供を連れて実家に戻った女性。
しかし、実家でも安らげるわけではなく…
- •母親とは折り合いが悪く、父親は寡黙
- •学生時代の友人に会う中で、なんと親友が元夫と付き合い始める
という、かなりしんどい展開が待っているようです。
この作品は、とてつもない不幸を描くのではなく、日常を生きている中での「ちょっとしんどい」感じや、モチベーションがずっと沈んでしまうような状況がリアルに描かれているのが特徴だそう。
「どうにかしたいけど、状況を打破するには大きな一歩が必要で、それは日常を捨てることにもなりかねないからなかなかできない」…そんなままならない状況が、この作家さんらしい「しんどさ」として魅力的に描かれていると紹介されています!
もう1編は、引きこもりの息子を持つ母親が主人公で、その女性がだんだんと万引きにはまっていくという、こちらもまた重そうな物語だとか。
どちらの作品も、読んでいると「うっ」となってしまうかもしれませんが、「絶対にないとは言いきれない」「私がこうならないとは言いきれない」と感じるような世界観だそうです。
ままならない現実の中でも、それでも生きていかないといけないと思わされる、そんな人におすすめの一冊のようです。
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