人生後半の戦略書　ハーバード大教授が教える人生とキャリアを再構築する方法

人生の前半で成功してきた人ほど陥りやすい罠と、その解決策が示されている一冊として紹介されています。特に仕事で成功してきた中年男性が直面するキャリアの落ち込みや、希薄な人間関係といった「ストライバーの呪い」をいかに乗り越え、幸福な人生後半を送るかがテーマだそうです。

歴史上の偉人チャールズ・ダーウィンでさえも、中年期以降は自身の創造性の低下に絶望していたというエピソードも挙げられており、これは誰にでも起こりうることだと語られています。

本書では、この課題を解決するために2種類の知能を使い分けることが重要だと説明されています。

• •流動性知能：クリエイティブな能力や素早い思考力で、30代前半頃にピークを迎える。
• •結晶性知能：過去に学んだ知識や知恵を統合する力で、人生の後半でも成長し続ける。人に教えたり、メンター的な役割で活かせる能力だとか。

この「流動性知能」に頼った働き方から「結晶性知能」を活かすキャリアへシフトしていくことが、人生後半の戦略として非常に重要だそうです。この移行は「もう一度大人になるような苦痛を伴う」ほど大変なことだとされていますが、そのための具体的な方法も示されています。

特に、仕事や成功への依存から抜け出し、人間関係へ賢く投資するための「産部構成のワーク」は必見の内容だとか。

• •終わり（死）を意識して時間を割り振ることで、後回しにしがちな家族や友人との関係を見直す。
• •自分のお金や時間を、本当に大切にしたい価値観（誠実さ、思いやりなど）のために使えているかを問い直す。

男性は特に人間関係が仕事に依存しがちで、引退後に孤独に陥りやすいと指摘されています。仕事以外の利害関係のない人間関係を築き、時には弱さをさらけ出すことが、人生後半の幸福度に大きく影響してくるそうです。

いつもの投資本とは違い、時間や人間関係といったより広い意味での「人生の投資」を考えさせられる、めちゃめちゃ深かった！と評される一冊です。特に40代以降の方や、これからのキャリアを考えるすべての人におすすめされています。