裏道を行け ディストピア世界をHACKする (講談社現代新書 2644)

この世界は攻略困難な「無理ゲー」だから、正攻法ではなく「裏道」を行き「ハック」するしかない、という衝撃的な視点から人生戦略を説く一冊として紹介されています。

格差が拡大し、普通に生きているだけでは報われない現代社会。そこから抜け出し「上級国民」を目指すには、常識や既存のルールを疑い、ハッキングする思考が必要だとされています。

本書では、具体的なテーマとして以下の内容が挙げられています。

• 金融市場のハック:

  • •金融市場に存在する「バグ」を利用して大金を稼ぐヘッジファンドや数学者の話が紹介されているそうです。
  • •しかし、一般の投資家が市場をハックして勝ち続けるのは限りなく難しいと指摘されています。
  • •凡人にとって最も確実な投資法は、手数料を極力抑えたインデックスファンドと長期投資の組み合わせしかない、という現実的な結論が示されているとか。

• 恋愛市場のハック:

  • •恋愛工学（PUA）のようなテクニックは存在するものの、短期的な関係は幸福度を下げる可能性があると説明されています。
  • •幸福な恋愛のためには、お互いの求める関係性の時間軸を合わせるWin-Winの関係が重要だそうです。
  • •社会においては「男は金、女は若さ」が重要な要素であり、理想のパートナーシップを望むなら、男性は経済的成功を、女性は若いうちから行動することが有効だとされています。

• 一般人に残された人生攻略法:

  • •人生という「無理ゲー」に対する現代的な戦略として「ミニマリズム」と「FIRE（経済的独立）」が紹介されています。
  • •物を減らして生活コストを下げ、倹約と投資で早期に経済的自由を達成するライフスタイルは、人生の選択肢を増やす有力な方法だとか。
  • •また、現代の価値は「富」からSNSなどでの「評判」へと移り変わっており、お金だけでなく評判を集めることが新しい時代の成功戦略になると語られています。

ハックは一部の賢い者が利益を独占する世界であり、全ての人に推奨されるわけではないとしつつも、この攻略不可能な社会で「救いの一手」を探している人にとっては、多くのヒントが見つかる一冊のようです。