残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 (幻冬舎文庫)

私たちの能力の大半は遺伝で決まるため、先天的に得意でないことを努力しても意味がない、という衝撃的な結論から始まる一冊として紹介されています。
このような残酷な世界で生き延びるために、自分だけの日地（ニッチ）を見つけ、それでミニマルに生きていくしかないと解説されているそうです。

本書で語られる「残酷な真実」

• •人間の能力は、身体的なものだけでなく知能や性格も遺伝の影響を強く受けているとされています。科学的には、知能の7割は遺伝で決まることが示されているとか。
• •「やればできる」という自己啓発の考え方は、科学的根拠のない政治的なイデオロギーに過ぎず、現実は「やってもできない」ことの方が多いと指摘されています。
• •「能力主義」に代わる新たな神話として「好きなことを仕事にすれば成功する」という考え方が生まれましたが、これにも問題があるとされています。好きなことが市場で高く評価されるとは限らず、むしろ劣悪な労働条件を自己責任で受け入れてしまう「やりがい搾取」につながる危険性があるそうです。

残酷な世界で生き延びる「たったひとつの方法」とは！

絶望的な真実を突きつけられた上で、それでも私たちが生き延びるための唯一の方法が示されています。
それは、自分自身の好きな「日地（ニッチ）」を見つけ、その小さな市場の中で「ショートヘッド（一番人気）」になることです。

• •ショートヘッドとロングテール: 音楽市場を例に、ごく少数のヒット曲（ショートヘッド）と、その他大勢のニッチな曲（ロングテール）という概念が紹介されています。
• •メジャー市場の負け組はインディーズ市場の勝ち組: 人生もこの構造と同じで、誰もが知るメジャーな世界で成功する必要はないとされています。どんなに小さな分野でも、より細分化していけば、誰もがどこかのニッチな市場のショートヘッドになることができるそうです。
• フリーエージェントとして生きる: 現代はインターネットの発展により、誰でも低コストでビジネスを始められる時代だと解説されています。
  • •大企業に雇われるのではなく、個人（フリーエージェント）として活動する。
  • •自分の好きなニッチな分野で、少数のファンから支持を得る。
  • •大金持ちにはなれなくても、自分と家族が生きていくために必要なお金を稼ぐことは可能だとされています。

「やってもできない」という事実を受け入れ、その上で本当の幸福への近道を探すための、非常に重要で素晴らしいきっかけになる一冊として紹介されています！