
東京都同情塔
【2024年芥川賞】意味がわかると面白い!『東京都同情塔』を読み解きます!
文学YouTuberベルさんが紹介
おすすめコメント
第170回芥川賞受賞作で、密度がぎっしりと詰まり、アイロニーに満ちていてかなり面白い作品だと紹介されています。選評で「欠点を探す方が難しい」と言われたことにも納得できるほど、完成度の高い作品だそうです。
物語の舞台は、建築家ザハ・ハディドの案が採用され、新国立競技場が建設されたパラレルワールドの東京。「犯罪者は同情されるべき人間」として、新しい刑務所「シンパシータワー東京」の建設が進む世界が描かれています。行き過ぎた多様性や平等思想の果てに、我々はどうなるのかを問う、示唆に富んだ物語だとか。
この作品の大きな特徴は、インテリブラックユーモアと、社会情勢を背景としたハイコンテクストな皮肉に満ちた文章だそうです。一言一句に隙がなく、芥川賞の審査員の中でも特に平野啓一郎さんが推していたというのも、なんとなく分かる感じがすると紹介されています。
本書の見どころ
見どころは、随所に散りばめられた「逆転現象」だそうです。
- •30代半ばのバリキャリ女性が、20代前半の非正規雇用の美青年にアプローチする。
- •恵まれない環境で育った青年が、エリートの女性に対して「この人は病んでるな」「まるで囚人じゃないか」と同情する。
- •平等を目指した結果、強者と弱者の立場がただ逆転しただけなのでは?と思わされる。
物語の中で「あれ?」と違和感を覚えたら、それが一般的価値観からの逆転現象の合図かもしれないと説明されています。
こんな人におすすめ
- •現代における言葉の役割や、コミュニケーションのズレについて考えさせられたい人。
- •リベラルvs保守といった社会的な論争に関心がある人。
登場人物の内面が察しにくく、淡々と物語が進行するそうですが、それがかえって「登場人物自身がAI化している」という効果を生み出しているとか。
140ページほどで読みやすい文体でありながら、現代における言葉や小説の力を深掘りし、考え続けることをメッセージとしている、とてもおすすめの作品だと紹介されています!
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