
労働と人生についての省察
【名著】労働と人生についての省察|ヴェイユ 究極の生き地獄で、どう生きるか。~止まらない搾取と抑圧。現代社会の病魔を払う「美の思想」とは~
アバタローさんが紹介
おすすめコメント
シモーヌ・ヴェイユの著作で、産業社会における抑圧と構造を分析し、奴隷的ではない新たな働き方を提唱した一冊として紹介されています。
特に、以下のような方に手に取っていただきたい本だとか。
- •今の仕事に虚しさや生き苦しさを感じている
- •何も考えられないほど疲れきっている
- •どこにも居場所がないと阻害感を感じている
- •現在の社会のあり方に危機感を抱いている
- •自分の仕事やキャリアを見つめ直したい
本書は、著者自身が工場で働いた壮絶な体験をもとに書かれた評論や日記、手紙などを集めた作品集だそう。
工場での労働は、絶え間ないスピードと命令によって労働者から思考や感情を奪い、自尊心さえも消し去ってしまうほどの非人間的なものだったと語られています。このような、自分が自分から離れてしまう状態を「自己阻害」と呼び、過酷な労働が人格そのものを変えうる暴力となることが指摘されているそうです。
単に労働環境の問題を告発するだけでなく、どうすれば人間らしい労働を取り戻せるのかという問いに対して、独自の視点が示されています。
その答えは、パンやバターではなく「美であり死(詩)である」という意外なものだとか。
- •単調な作業の中にも、そのリズムや美しい所作に詩的な意味や美を発見できるとされています。
- •美を感じるためには、対象と適度な距離を保つこと、そして心を空にして対象を受け入れる「注意」という姿勢が重要だと説かれているそうです。
- •この純粋な「注意」は「祈り」にも等しいとされ、日々の仕事を通じて育んでいくべきだと訴えられています。
こうした思想は、全仏教や日本の俳句の精神とも通じるものがあり、日本文化との親和性も高く、希望を見出しやすいかもしれないと紹介されています。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。