失敗の科学

失敗することの大切さを教えてくれる一冊として紹介されています。
日本では失敗がネガティブなことと見なされがちですが、失敗は成功に欠かせないものであり、失敗との向き合い方がその後の人生を大きく左右すると説明されています。

なぜ人は失敗を隠してしまうのか

人は失敗すると避難されることを恐れ、惨めな気持ちになるのを避けるために、失敗を隠したり言い訳をしたりするようになるとか。
さらに、次第に自分でついた嘘や言い訳を信じ込む「自己正当化」に陥り、結果的に同じ失敗を永遠に繰り返してしまうという負のループが起こっているそう。

失敗から学ぶ組織と学ばない組織

この本では、失敗を認めず隠す傾向にある医療業界と、失敗と誠実に向き合う航空業界が対比して紹介されています。

• •航空業界では、独立した調査機関が事故原因を徹底的に分析・共有し、二度と同じことが起こらないようにする文化があるだとか。この取り組みにより、航空事故は年々減少し、極めて安全な乗り物になっているそうです。
• •このように、失敗から積極的に学ぶごくわずかな人や組織だけが、高いパフォーマンスを発揮できるようになると解説されています。

失敗を受け入れて力に変える方法

失敗を恐れず、そこから学ぶための具体的な方法として、以下の4つが挙げられています。

• •努力すれば成長できると考える（成長型マインドセット）
  失敗を自分の才能のなさと結びつけるのではなく、学びの機会であり、努力で乗り越えられる「ただの通過点」と捉える考え方だそう。
• •正確なデータを集める
  何が原因で失敗したのかを特定するために、日記をつけるなどして、うまくいった日とダメだった日の状況を記録しておくことが大事だとか。
• •失敗の原因は人ではなく仕組みにあると考える
  特に組織において、個人の責任を追及するのではなく、「仕組みやマニュアルに問題があった」と捉えることで、誰もが失敗を報告しやすい雰囲気を作ることができると説明されています。
• •行動しながら頭で考えて、精度を上げていく
  頭で考えるだけでなく、とにかく行動して試行錯誤を重ねる方が、結果的に良いものを生み出せるそうです。「本当の失敗とは、失敗から何も学ばないことである」という言葉も紹介されています。