三宅香帆さんの読書メモアプリはDynalist、竹下隆一郎さんは本に5色の線|Page Turnersで見せた読書メモと、1か月で読んだ本
出典:TBS CROSS DIG with Bloomberg『Page Turners』
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29点
文芸評論家の三宅香帆さんはDynalistの読書メモを、TBS CROSS DIGの竹下隆一郎さんは本に引いた5色の線を見せていました。
書評番組『Page Turners』2025年3月の回から、2人の読書メモのつけ方と、話に出た本を紹介します。

メモと線、なんでそうしてるの?

三宅さんがメモを残すのは原稿で使う引用元をすぐ探すためだそうです。
竹下さんが線を引くのは別のメモを作るより、本そのものを読み返すためとのこと。話に出た本もまとめました。
三宅さんの読書メモ|アプリのDynalistに、引用しそうなところを箇条書き
三宅さんは、紙のメモ帳とアプリを併用しているそうです。
- アプリ:電子書籍や、仕事で使いそうな本のメモを残す
- 紙のメモ帳:紙で読んだ本のメモを書くことが多い。文を写すか、ページ数と中身を残す
ここでは、アプリのDynalistを使ったメモの残し方を見ていきます。
仕事で本を読むことも多い三宅さんにとって、原稿で引用したいときに、どこに書いてあったかを探す時間は「人生で最も無駄な時間」。だから、引用しそうなところは、とにかくメモしておくと話していました。
Dynalistの使い方|月ごとに本をまとめ、その下にメモ
Dynalistは、箇条書きの項目の下に、さらに項目を足していけるアプリです。三宅さんは、電子書籍や仕事で使いそうな本のメモに使っているそうです。
電子書籍の場合は、文を次のようにメモしているそうです。
- コピーできる電子書籍(Kindleなど):文をコピーして貼りつけることもある
- コピーできない電子書籍(hontoなど):ページ数と、文の頭の数文字だけを打つ
三宅さんの画面では、「2025/2書籍」の行を開くと、その月に読んだ本の名前が並び、書名の行を開くと、その本のメモが出てきました。たとえば、こんな並びです。
- 読書めも
- 2025/2書籍
- ケガレの民俗誌
- 引用したい一節
- ケガレの民俗誌
- 2025/1書籍
- …
- 2025/2書籍
『ケガレの民俗誌』の下には、「ケガレ」が汚らわしいものとされる以前は、日常の力が衰えることとして捉えられていた、という一節がメモされていました。短く抜くと、次の部分です。
日常的パワーが衰えるという意味でケガレをみてきた。
Dynalistのメモを見返すのは、たいてい原稿を書いていて引用したいときで、そのときはほとんど検索で探すそうです。
宮田登
ケガレの民俗誌 差別の文化的要因(ちくま学芸文庫)

民俗学者の宮田登が、日本の民俗にある「ケガレ」の考え方と、差別との関わりを見つめた本です。章は、被差別部落と民俗研究から始まり、性差別の原理、ケガレの民俗文化史へと進みます。解説は赤坂憲雄さん。
- 出版社
- 筑摩書房
- 刊行
- 2010年12月
- 仕様
- 文庫・320ページ
- 値段
- 定価 ¥1,320
動画では版の指定はありません(作品として紹介されていたので、いま新品で買える版にリンクしています)
「読みたい本」|大きい書店に行ったら探す
買いたい本は、Dynalistの「読みたい本」という項目の下に書いておき、大きい書店に行ったら探すそうです。読書メモとは別のリストで、この回は次の4冊が入っていました。
「図書館で今度借りる本」も別の項目として作っていて、『昭和戦時期の娯楽と検閲』が入っていました。(買う本と借りる本の分け方は、話していませんでした。)※library
リストにあった本
青木玲子・赤瀬美穂
女性と図書館 ジェンダー視点から見る過去・現在・未来

女性に向けて、図書館はどんなサービスをしてきたのか。ジェンダーの視点で、明治から今までをふり返る本です。戦前の婦人閲覧室から、戦後の男女共同参画センターまでを取り上げます。図書館サポートフォーラムシリーズの1冊です。
- 出版社
- 日外アソシエーツ
- 刊行
- 2024年2月
- 仕様
- 単行本・290ページ
- 値段
- 定価 ¥2,970
動画では版の指定はありません(作品として紹介されていたので、いま新品で買える版にリンクしています)
尾崎一郎
個人化する社会と閉塞する法

近所の騒音トラブルやマンションの管理などを取り上げ、人と社会、法の関係を考える論文集です。人と人のつながりが薄れる社会で、法や司法制度がどう働くかを問い直します。
- 出版社
- 日本評論社
- 刊行
- 2023年9月
- 仕様
- 単行本・416ページ
- 値段
- 定価 ¥9,350
動画では版の指定はありません(作品として紹介されていたので、いま新品で買える版にリンクしています)
Dynalistを選んだ理由|無料で何行でも、全部を箇条書きで
「神アプリだと思っています
」
三宅さんの推しポイント
- スマホでもパソコンでも使える
- 全部を箇条書きにできる——読書メモはこの形がいちばんやりやすい
Dynalist Inc.
Dynalist
三宅さんが話に出した、ほかのメモアプリ
三宅さんは、これまで使ったアプリとして、NotionやEvernote、Google Keepの名前も挙げていました。Dynalistと似た形式のアプリの例には、Workflowyを挙げています。
FunRoutine Inc.
Workflowy

Dynalistと同じく、入れ子の箇条書きでメモを書くアプリ。ブラウザ、パソコン、スマホで同期して使えます。無料のBasicは月100項目までが目安で、超えると有料プランへの案内が出ます。
Notion Labs, Inc.
Notion
Bending Spoons
Evernote

メモを「ノート」として保存し、複数のノートを「ノートブック」にまとめるサービスです。スマホ・パソコン・Webで使えます。無料のプランはノート50件・ノートブック1つまでで、同期できる端末は1台です。
竹下さんの読書メモ|線を引いて、元の本を読み返す
竹下さんは、ノートやiPadに読書メモを作るほか、本にも直接線を引いたり書き込んだりしているそうです。
本に線を引くのは、読み返すときに、別のメモより元の本を見たいから。(あるとき、本に全部書いてあるのに、なぜ別のメモを作るんだろうと思ったそうです。)
別に作るメモ|ノートとGoodnotes
『戦略的コミュニケーションと国際政治』のメモは、紙のノートとiPadに。iPadではGoodnotesを使い、手書きした「国際政治」も検索できるそうです。
Goodnotesの公式ヘルプによると、iPadなどのApple製品では、手書きの検索に使える言語として日本語も入っています。

手書きの文字も検索できるってすごい!
Goodnotes Limited
Goodnotes
本への書き込み|前に引いた線を、色で見分ける
同じ本を読み直すたび、前に引いた線と区別できるように色を変えるそうです。使う5色は、次の順番でした。
同じ本を読み直すたびに、色を替える
1 色目
桃
2 色目
紫
3 色目
緑
4 色目
赤
5 色目
黒
色で前に引いた線と今回の線を区別できるので、前に読んだときと次に読んだときで、どこをいいと思ったかを見比べられるそうです。
本当に分からないところには「?」を付けておき、読み返すうちに分かったら消して、分かった日付も書くとのこと。
ダーマトグラフ|削らずに、紙をむいて使う鉛筆
竹下さんが線を引くのに使うのは、三菱鉛筆のダーマトグラフ。軸の紐を引いて紙に切れ目を入れ、そこからむくと芯が出てくるので、削らずに使えます。
竹下さんは紙をむいてみせ、「これはもう気持ちいいんですよ」と話していました。家にもダーマトグラフがたくさんあるそうです。
三菱鉛筆
三菱鉛筆 油性ダーマトグラフ(桃・紫・緑・赤・黒)

動画では油性・水性の指定はなく、ここでは油性の5色を載せています。油性・水性とも全12色です。
- 色
- 桃・紫・緑・赤・黒(全12色)
- 品番
- K7600
- 種類
- 油性
- 値段
- ¥78(1本)
動画では種類の指定はありません(商品名だけが話に出たので、いま買える種類の1つにリンクしています)
線を引く権利|身銭を切って買った本は、使い倒す
竹下さんは、買った本には線を引く権利があると考えているそうです。図書館でも借りられるのに、わざわざ自分で買ったのだから、という理由でした。
例に挙げたのは、3,600円(税別)の『戦略的コミュニケーションと国際政治』。身銭を切って買ったので、とことん使い倒そうと思ったそうです。
竹下さんのこの話には、コメント欄にも声がありました。
コメント欄より。高評価173件。 「せっかく自分の本にしたのだから、線を引く権利があるというのはハッとさせられました!」
青井千由紀
戦略的コミュニケーションと国際政治 新しい安全保障政策の論理

相手の考えや行動を変えようとする外交・安全保障のやり方、「戦略的コミュニケーション」についての本です。理論や歴史、公共政策の面から説明し、全6章のうち、価値をどう守るか、社会の分断をどう防ぐかにも1章ずつをあてています。
- 出版社
- 日経BP 日本経済新聞出版
- 刊行
- 2022年10月
- 仕様
- 単行本・320ページ
- 値段
- 定価 ¥3,960
『人間の条件』|レポートを書くための付箋
竹下さんは、『人間の条件』をもとにレポートを書くため、付箋をたくさん貼っていたそうです。
ハンナ・アレント 著/志水速雄 訳
人間の条件(ちくま学芸文庫)

人の営みを「労働」「仕事」「活動」の3つに分けて考えた、思想家アレントの本です。全6章のうち、3つの営みに1章ずつをあて、ほかに公と私の領域の違いや、近代を論じた章があります。解説は阿部齊さん。
- 出版社
- 筑摩書房
- 刊行
- 1994年10月
- 仕様
- 文庫・560ページ
- 楽天評価
- 4.3/5(67件)
- 値段
- 定価 ¥1,870
三宅さんは折る派|面白いところは右上、調べたいところは下
三宅さんも線を引くのは好きで、ページの角を折る派でもあるそうです。
- 右上を折る:面白かったところ
- 下を折る:調べたいところ

折る場所で意味を変えるのはなかった発想!
引用したいときは、だいたい折ったところを探せば見つかるそうです。
ページを折るほかに、何かで引用すると確信しているときだけ、付箋を貼るとも話していました。
一度も折らなかった本は、面白くなかったということなので、売ったり捨てたりしていいと思っているそうです。
竹下さんの3度読み|3回目は、時間を区切って
竹下さんの3度読み
1 回目
飛ばしながら読む
2 回目
線を引きながら読む
3 回目
時間を区切って読む
読んだ本の著者にインタビューすることもある竹下さんは、内容を忘れないよう、同じ本を3回読む「3度読み」をしているそうです。1回目から3回目まで、それぞれ読み方を変えていました。
3回目は、短い空き時間に読み直すそうです。会議やインタビューまでの15分、電車の10分など、時間が迫って焦ると、頭に入ってくるとのこと。
三宅さんが話した本|1か月でいちばん面白かったのは『宗教を学べば経営がわかる』
三宅さんが番組までの1か月で読んだ本は20冊(記事の最後に一覧があります)。雑誌とか新刊とか、小説も人文書もエッセイもあって、幅広く読んだ月だったそうです。
竹下さんがきっかけの2冊|贈られた『美術の物語』と、薦められた『偽情報と独裁者』
竹下さんから贈られた『美術の物語』を、三宅さんは分厚いかと思ったら絵がたくさんあって、意外とさくさく読めて楽しかったと話していました。
エルンスト・H・ゴンブリッチ 著/天野衛ほか 訳
美術の物語 ポケット版

1950年の初版から改訂を重ねてきた美術史の定番。洞窟の壁画から現代の作品までを、28の章で1つの物語のように語ります。平易な文章で書かれていて、カラー図版は376点です。
- 出版社
- 河出書房新社
- 刊行
- 2024年10月
- 仕様
- 単行本・1048ページ
- 楽天評価
- 4.8/5(17件)
- 値段
- 定価 ¥5,489
『偽情報と独裁者』は、Page Turnersの第1回で竹下さんが紹介し、三宅さんが面白そうだと思って買ったそうです。第1回のころより情報と政治のことが話題になってきた今読めてよかった、と話していました。
マリア・レッサ 著/竹田円 訳
偽情報と独裁者 SNS時代の危機に立ち向かう

フィリピンで報道を続け、2021年にノーベル平和賞を受けたマリア・レッサさんの本です。SNSで広がる偽情報と強権的な政治に、報道で立ち向かってきた日々を書いています。英紙『ガーディアン』の年間ベストブックにも選ばれました。
- 出版社
- 河出書房新社
- 刊行
- 2023年4月
- 仕様
- 単行本・368ページ
- 楽天評価
- 4.3/5(11件)
- 値段
- 定価 ¥2,420
『C線上のアリア』|介護と中年の問題を書き切った、湊かなえさんの長編
『C線上のアリア』は、主人公が育ての親の叔母を介護する、湊かなえさんの長編。番組の時点では出たばかりでした。
三宅さんは、介護の様子を迫力がありすぎると評価。湊さんの筆力で、介護と中年の問題を書き切った小説だと話していました。
『ノルウェイの森』とのつながりも話題に。三宅さんは、『C線上のアリア』の緑と赤の表紙から連想するそうです(『ノルウェイの森』の文庫は上巻が赤、下巻が緑)。
作中にも、主人公が思春期に『ノルウェイの森』を貸し借りした元カレが出てくるとのこと。
湊かなえ
C線上のアリア

朝日新聞の連載に手を加えて本にした、湊かなえさんの「介護ミステリ」です。主人公の美佐が、高校時代を過ごした叔母の家に30年後に戻ってみると、ごみ屋敷になっていて、叔母には認知症の症状がありました。叔母は、両親を亡くした美佐を引き取った人です。
- 出版社
- 朝日新聞出版
- 刊行
- 2025年2月
- 仕様
- 単行本・352ページ
- 楽天評価
- 3.7/5(468件)
- 値段
- 定価 ¥1,870
村上春樹
ノルウェイの森(上)(講談社文庫)

村上春樹さんの長編で、単行本は1987年に出ました。ハンブルクに着いた飛行機の中でビートルズの曲を聞いた「僕」が、20歳を前にした1969年の秋を思い出す長編です。失うことと、そこから立ち直っていくことを描いています。
- 出版社
- 講談社
- 刊行
- 2004年9月
- 仕様
- 文庫・304ページ(上下巻の上)
- 楽天評価
- 3.9/5(2,170件)
- 値段
- 定価 ¥792
動画では版の指定はありません(作品として紹介されていたので、いま新品で買える版にリンクしています)
『宗教を学べば経営がわかる』|宗教と会社の組織は、どこが重なるか
三宅さんは、今回紹介する本の中で『宗教を学べば経営がわかる』がいちばん面白かったと話していました。
ニュースや世界の歴史を見ていても、宗教のところがいちばん分からないと感じることが多いそうです。
三宅さんの推しポイント
- リクルートと「江副教」:創業者・江副浩正さんの考えを中心に社員がまとまる様子を、宗教になぞらえた話。その組織の成り立ちと、創業者中心のあり方が変わる過程も扱っています。
- トヨタとホンダ:2社の組織を、カトリックとプロテスタントにたとえる話
- 宗教と企業文化:宗教が担っていた、人をまとめる役割を、会社の理念や価値観が担うようになったのでは、という見方
トヨタとホンダのたとえで比べているのは、上に立つ人との関係です。三宅さんは、次のように紹介していました。
トヨタ × カトリック
- カトリック:ローマ教皇を頂点とする組織
- トヨタ:上からの指示で動く組織
ホンダ × プロテスタント
- プロテスタント:イエスを信じても、ローマ教皇の指示には従わない
- ホンダ:創業者の本田宗一郎さんを信じつつ、トップダウンでは動かない
池上彰・入山章栄
宗教を学べば経営がわかる(文春新書)

池上彰さんと経営学者の入山章栄さんの対談本です。キリスト教やイスラム教の歴史と、トヨタやホンダなどの企業の例を行き来しながら、人が集まり、組織が動く理由を考えます。
- 出版社
- 文藝春秋
- 刊行
- 2024年7月
- 仕様
- 新書・256ページ
- 楽天評価
- 4.0/5(44件)
- 値段
- 定価 ¥990
『宮本常一コレクションガイド』|民俗学者・宮本常一のノートが載った本
三宅さんいわく、『忘れられた日本人』を書いた宮本常一のノートが、たくさん載っている本。人の原稿やノートを見ると癒されると話していました。地方の書店で、一期一会だと思って買ったそうです。
宮本常一記念館(周防大島文化交流センター)編・森本孝 監修
宮本常一コレクションガイド

日本各地を歩いた民俗学者・宮本常一の資料を収める、宮本常一記念館(周防大島文化交流センター)が編んだ収蔵品のガイドです。蔵書、ノートや原稿用紙に書きとめた記録、民具、写真の4つに分けて紹介しています。
- 出版社
- みずのわ出版
- 刊行
- 2017年8月
- 仕様
- 単行本・79ページ
- 値段
- 定価 ¥1,650
宮本常一
忘れられた日本人(岩波文庫)

宮本常一の代表作。「対馬にて」「梶田富五郎翁」など13編で、村の寄りあいや年寄りの語りを聞き取り、文字の記録に残らなかった人々の暮らしを書いています。解説は網野善彦さん。
- 出版社
- 岩波書店
- 刊行
- 1984年5月
- 仕様
- 文庫・334ページ
- 楽天評価
- 4.3/5(224件)
- 値段
- 定価 ¥1,078
動画では版の指定はありません(作品として紹介されていたので、いま新品で買える版にリンクしています)
『ロシア文学の食卓』と『ロシア文学を学びにアメリカへ?』|夫婦の著者の2冊を続けて
沼野恭子さんと沼野充義さんは、夫婦のロシア文学研究者です。 三宅さんは、2人がそれぞれ書いた本だと知って、この2冊を買ったそうです。
沼野恭子さんの本
料理から文学作品を知る読書案内。ピロシキなど、作品に出てくる料理を写真とともに紹介します。
沼野充義さんの本
アメリカ留学の日々を書いたエッセイ。
2冊を続けて読んだきっかけ
- 前年に読んだ奈倉有里さん(ロシア文学研究者・翻訳家)のエッセイが面白かった
- ニュースもきっかけになり、ロシアに関心が向いていた
1冊を読むともう1冊も読みたくなり、続けて読んだそうです。
『ロシア文学の食卓』で三宅さんが面白がっていたのは、料理を通して、まだ読んだことのない文学作品を知れるところ。読書案内に出てくる作品には、知らないものが多かったそうです。
沼野恭子
ロシア文学の食卓(ちくま文庫)

食べものを入り口に、ロシア文学の作品を読んでいく本です。ロシアのコース料理の順に章が並び、料理の写真はカラー。解説は平松洋子さん。
- 出版社
- 筑摩書房
- 刊行
- 2022年5月
- 仕様
- 文庫・304ページ
- 楽天評価
- 3.9/5(10件)
- 値段
- 定価 ¥1,045
沼野充義
ロシア文学を学びにアメリカへ? 増補版 屋根の上のバイリンガル(中公文庫)

ソ連ではなくアメリカのハーバード大学へ渡ってロシア文学を学んだ、1980年代の日々を書いたエッセイの増補版です。その体験を出発点に、亡命者や移民の文学と言葉を考えます。解説は奈倉有里さん。
- 出版社
- 中央公論新社
- 刊行
- 2025年1月
- 仕様
- 文庫・336ページ
- 値段
- 定価 ¥1,100
沼野充義さんの訳書として、三宅さんが挙げたのが『ソラリス』です。
スタニスワフ・レム 著/沼野充義 訳
ソラリス(ハヤカワ文庫SF)

ポーランド語の原典から訳した版です。舞台は、意思を持つ海が広がる惑星ソラリス。人間とはまったく違う知性と、人は通じ合えるのかを問うSFです。
- 出版社
- 早川書房
- 刊行
- 2015年4月
- 仕様
- 文庫・432ページ
- 楽天評価
- 4.0/5(152件)
- 値段
- 定価 ¥1,760
動画では版の指定はありません(作品として紹介されていたので、いま新品で買える版にリンクしています)
『ぶち壊し屋』|なかなか読み終わらない、トランプ政権の上下巻
『ぶち壊し屋』の上下巻は、三宅さんが番組の時点で読んでいた、本人いわく「トランプ大統領の伝記」。量が多くてなかなか読み終わらないものの、来月には読み終わりそうだと話していました。
ピーター・ベイカー、スーザン・グラッサー 著/伊藤真 訳
ぶち壊し屋(上) トランプがいたホワイトハウス2017-2021

『ニューヨーク・タイムズ』のピーター・ベイカーさんと『ニューヨーカー』のスーザン・グラッサーさんが、300件のインタビューや日記、メモなどをもとに、トランプ政権1期目の内側を描いた本です。政権の始まりから描く上巻です。
- 出版社
- 白水社
- 刊行
- 2024年9月
- 仕様
- 単行本・496ページ
- 値段
- 定価 ¥3,960
動画では版の指定はありません(作品として紹介されていたので、いま新品で買える版にリンクしています)
ピーター・ベイカー、スーザン・グラッサー 著/伊藤真 訳
ぶち壊し屋(下) トランプがいたホワイトハウス2017-2021

上巻に続き、2021年1月6日の連邦議会議事堂の襲撃事件を含む政権の後半から、政権の終わりまでを描く下巻です。300件のインタビューと、日記やメールなどの資料にもとづいています。
- 出版社
- 白水社
- 刊行
- 2024年11月
- 仕様
- 単行本・464ページ
- 値段
- 定価 ¥3,960
動画では版の指定はありません(作品として紹介されていたので、いま新品で買える版にリンクしています)
竹下さんが話した本|分析の本、アメリカの本、経済の本、名文集
竹下さんが番組までの1か月で読んだ本は15冊(こちらも記事の最後に一覧があります)。
『情報分析力』|最後は「文学を読め」
竹下さんによると、ロシアの軍事の専門家・小泉悠さんの『情報分析力』の最後には「文学を読め」とあり、それは人の気持ちに寄り添え、ということだそうです。
文学を読むことが、いちばんの分析につながるとも書いてあるとのこと。
小泉悠
情報分析力

ロシアの軍事を専門とする小泉悠さんが、ウクライナ侵略の分析を例に、情報の集め方と読み方、情報をまとめる文章の書き方、予断や偏りとの付き合い方までを、講義のように教える本です。
- 出版社
- 祥伝社
- 刊行
- 2024年11月
- 仕様
- 単行本・192ページ
- 楽天評価
- 3.7/5(48件)
- 値段
- 定価 ¥1,760
『ヒルビリー・エレジー』から『アメリカと私』へ|読みかけで思い出した1冊
竹下さんにとっては、本でアメリカを知ることが、ニュースで見る政治家の考えを理解する手がかりになるそうです。
きっかけは、トランプ大統領とゼレンスキー大統領の激論。ヴァンス副大統領の発言を見て、アメリカとは何かを考え直そうと、次の2冊を読んだそうです。
- 『ヒルビリー・エレジー』:ヴァンスさんの自伝。アメリカを「ハード」で「すごく野性の国」だと感じ、1割ほど読むと『アメリカと私』を思い出したそうです。
- 『アメリカと私』:江藤淳のアメリカ滞在記。本棚から取り出し、読み直したそうです。
J・D・ヴァンス 著/関根光宏・山田文 訳
ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち(光文社未来ライブラリー)

鉄鋼などの工業で栄え、今はさびれた「ラストベルト」で育ったJ・D・ヴァンスさんの回想録です。白人の労働者階級の家族と暮らしを描き、アメリカで大ベストセラーになりました。
- 出版社
- 光文社
- 刊行
- 2022年4月
- 仕様
- 文庫・456ページ
- 楽天評価
- 4.2/5(77件)
- 値段
- 定価 ¥1,320
江藤淳
アメリカと私(講談社文芸文庫)

1962年から2年間、文芸評論家の江藤淳がアメリカのプリンストンで暮らした記録です。人種差別に反対する公民権運動などで社会が大きく動いていた時期に、文化や生活の違いに触れながら、日本人としての自分を見つめ直していきます。
- 出版社
- 講談社
- 刊行
- 2007年6月
- 仕様
- 文庫・400ページ
- 値段
- Kindle ¥1,562
動画の本との違い:紙と電子動画の本は講談社文芸文庫の紙の本(2007年)。
『成長の臨界』|経済の話から、文明の話へ
『成長の臨界』で竹下さんが面白いと感じたのは、経済から、人間の社会の行く先を考える「文明の話」へ広がるところ。著者はエコノミストの河野龍太郎さんです。
竹下さんは、「はじめに」のカエルと牛の話から引き込まれたそうです。出版社の公開本文で重ねられているのは、限界を越えてしまう危うさ。カエルが際限なく膨らめないように、借金や温暖化も今のまま進み続けてよいのか、と問いかけています。
『成長の臨界』の導入
1 段階
牛ほど膨らもうとしてカエルが破裂
2 段階
借金・温暖化も、限界を越えないか
同じ著者の2冊を読んだ理由
『グローバルインフレーションの深層』も読んだのは、仕事で河野さんにインタビューしたからだそうです。
普段から同じ著者の本をよく読むとのこと。その人がどれくらい幅広く書けるかを見ているそうです。
河野龍太郎
成長の臨界 「飽和資本主義」はどこへ向かうのか

日本や世界の経済が今のまま成長を続けられるのか、その先はどうなるのかを考える本です。河野龍太郎さんが、経済や金融だけでなく、政治・歴史・心理学の視点も使って現状を分析しています。
- 出版社
- 慶應義塾大学出版会
- 刊行
- 2022年7月
- 仕様
- 単行本・548ページ
- 値段
- 定価 ¥2,750
河野龍太郎
グローバルインフレーションの深層

円は、いつまで国際通貨でいられるのか。コロナ禍をきっかけに世界に広がった急なインフレの原因を、各国の財政と、利上げが遅れた中央銀行の判断から読み解き、超円安と日本の財政のリスクを論じる本です。
- 出版社
- 慶應義塾大学出版会
- 刊行
- 2023年12月
- 仕様
- 単行本・336ページ
- 値段
- 定価 ¥1,760
『現代文章宝鑑』|古本屋で出会った、名文集
『現代文章宝鑑』は、「食」「恋愛」「音読」などの項目から名文を探せる本。竹下さんは辞書のように使うほか、たまに書き写して文章を磨くそうです。
たとえば「音読」の項には、音読について書かれた谷崎潤一郎の一節などが並びます。大正から昭和54年(1979年)ぐらいまでの文章が集められていて、竹下さんは古本屋で出会ったと話していました。
Amazonと楽天ブックスでは、いま新品を買えません(2026年10月確認)。
三宅さんの「書く」|いろいろなメディアに出ても、いちばん好きなのは文章
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の話で、竹下さんは、読者が本だけでなく、動画やイベントも通じて三宅さんの考えを楽しんでいることに触れていました。

めちゃめちゃわかります!著者の方のSNSとか見たくなりますし、三宅さんの動画とかすごい見てます!ちょっと前で言うと、シルバーウィークとか永遠にPage Turners見てました。笑
それを受けて三宅さんも、本だけでなく、動画や音声、イベントでも考えを伝えていくといいと話していました。芸人さんが劇場やテレビ以外にも活動を広げるように、書き手も発信の場を増やしていく、という考えです。
そのうえで、三宅さんがいちばん好きなのは文章だそうです。
書くことで、思いついたアイデアがはっきりする
文章を書くことの好きなところは、書いているうちに、自分でも考えが分かってくることだそうです。
たとえば、思いついたアイデアをブログサービスのnoteに書くと、自分で「こういうことか」と理解し、人にも話せるようになるとのこと。一方、人と話している最中に新しいアイデアが浮かぶことは、あまりないそうです。
アイデアを思いつく場面についても、2人で違いがありました。
アイデアが浮かぶのは
三宅さん
読んで、書いているとき
竹下さん
歩いているとき、1人でいるとき
三宅香帆
なぜ働いていると本が読めなくなるのか(集英社新書)

兼業で書いてきた三宅香帆さんが、明治の自己啓発書から今まで、日本人の働き方と読書の関係をたどった新書です。最終章の題は「『全身全霊』をやめませんか」。新書大賞2025を受けました。
- 出版社
- 集英社
- 刊行
- 2024年4月
- 仕様
- 新書・288ページ
- 楽天評価
- 3.8/5(1,574件)
- 値段
- 定価 ¥1,100
動画では版の指定はありません(作品として紹介されていたので、いま新品で買える版にリンクしています)
2人が1か月で読んだ本|番組(2025年3月)の一覧
番組の冒頭には、2人がそれまでの1か月で読んだ本の一覧が出ていました(雑誌も入っています)。
三宅さんの20冊

ロシア文学の食卓
沼野恭子 ・ 筑摩書房

ロシア文学を学びにアメリカへ?
沼野充義 ・ 中央公論新社

宗教を学べば経営がわかる
池上彰・入山章栄 ・ 文藝春秋

どんぐり
寺田寅彦・中谷宇吉郎 ・ 灯光舎
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美術の物語 ポケット版
エルンスト・H・ゴンブリッチ ・ 河出書房新社

偽情報と独裁者
マリア・レッサ ・ 河出書房新社

C線上のアリア
湊かなえ ・ 朝日新聞出版
中央公論 2025年3月号
中央公論新社
Voice 2025年3月号
PHP研究所

宮本常一コレクションガイド
みずのわ出版
竹下さんの15冊

人間の条件
ハンナ・アレント ・ 筑摩書房

アメリカと私
江藤淳 ・ 講談社

ヒルビリー・エレジー
J.D.ヴァンス ・ 光文社

グローバルインフレーションの深層
河野龍太郎 ・ 慶應義塾大学出版会

成長の臨界
河野龍太郎 ・ 慶應義塾大学出版会

情報分析力
小泉悠 ・ 祥伝社
現代文章宝鑑
柏書房

戦略的コミュニケーションと国際政治
青井千由紀 ・ 日経BP 日本経済新聞出版
文藝春秋 2024年9月号
文藝春秋
Amazonの購入ボタンの新品は定価超え、楽天ブックスでは見つからない(2026年10月)

今回のぶん、台帳につけたよ。
今回の記録:2026年10月、32分35秒の番組を視聴し、話に出た本や道具と、読書一覧35冊の購入先を調べた。
結論:引用元を探す三宅さんのメモと、本そのものを読み返す竹下さんの線。メモを検索する方法と、元の本に目印を残す方法を見られた。
引用・図書館の話・コメントと楽天評価の出どころ(4件)
引用は、動画21:04のDynalist画面に映った三宅さんのメモと照合しました。本の現物とは照合していません。
動画22:04の画面に「図書館で今度借りる本」と『昭和戦時期の娯楽と検閲』が映っています。図書館については、17:10からの地方の書店の話で、三宅さんが地方へ行くと書店か図書館に立ち寄る、とも話していました。借りる予定の本の話と旅先で立ち寄る話は別の場面です。
引用したコメントは、この回の動画(YouTube・TBS CROSS DIG with Bloomberg)のコメント欄からです。高評価の数は2026年10月28日に取得した時点のもので、いまは増減している可能性があります。
「楽天評価」は、2026年10月28日・29日に楽天ブックスで取得した平均点と件数です。
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