三宅香帆さんと竹下隆一郎さんのおすすめ本|歴史漫画『風雲児たち』、ホテルの部屋を測って描いた『旅はゲストルーム』、『43歳頂点論』ほか
出典:TBS CROSS DIG with Bloomberg『Page Turners』
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17点
文芸評論家の三宅香帆さんと、TBS CROSS DIGのMCの竹下隆一郎さんが本を持ち寄る書評番組『Page Turners』。2026年10月11日公開の回です。

今回は、どんな本が出たの。

歴史漫画やAIの白書、ホテルの部屋を測った本などです。話題ごとにまとめました。
歴史漫画と小説で、「日本とは何か」を知る
『風雲児たち』|関ヶ原から幕末まで、主人公が入れ替わる歴史ギャグ漫画
9月11日公開の回で、竹下さんは三宅さんから『風雲児たち』の1巻を贈られました。独特の絵柄に慣れるまでは少し時間がかかるそうですが、1巻は一気に読み切ったとのこと。そのあとKindleで全巻を買って、いまはこればかり読んでいるそうです。
三宅さんによると、戦国時代から江戸時代を経て、幕末に日本がどう進んでいったのかを、主人公を替えながら描いていく漫画で、日本とは何かがよく分かるそうです。
「まさに主人公が『日本』だなと思いました
」
『風雲児たち』を読んで、2人が話していた日本
竹下さん
バラバラでも、同じビジョンを持っていた
皆がバラバラでも、その時代ごとに同じビジョンを共有していた。戦国時代なら、戦乱の世を終わらせること。幕末には、天皇を大事にする人も、海外と交流すべきだという人も、締め出すべきだという人もいたが、違うのはやり方で、日本を変えたいという思いは一緒だった。
三宅さん
実力で強い幕府と、天皇の権威が、別々のところにある
普通は一番上の人が強さも権威も持つピラミッドになるのに、日本では両方が分かれている。今にも通じる話で、昔からこういう国だったんだと分かる。
外からやってきたものに慌てる国
江戸時代は鎖国していた、で終わりがちだが、海外とどう交流してきたかが分かる。外からやってきたもの、今ならAIのようなものに慌てる。そういう国なんだと、読んでいて受け入れられる。
西軍についた大名には、幕末に力を持つ薩摩藩の島津家や、戦いのあと領地を周防・長門の2か国に減らされた長州藩の毛利家もいました。
関ヶ原の負け方を、2人はどう読んだか
竹下さん
負けても、子孫や仲間のためなら散れる
関ヶ原で勇敢に負けた藩の戦い方が、何十年か後に相手を怯ませる。自分が滅びても、子孫や藩の仲間に影響すると思えば頑張れる。歴史を生きた人たちは必死だった。
三宅さん
負けて端に追いやられた藩が、幕末に強くなる
関ヶ原と江戸時代は別のものだと思っていたが、勝ち負けが県民性や文化にまでつながっている。端に追いやられたおかげで貿易ができ、幕末に強くなる。そのダイナミズムが最高だった。
三宅さんは、『風雲児たち』に出てくる人物ゆかりの地を巡るのも楽しいと話していました。根室の資料館「北方館」では、作中に登場する最上徳内や新井白石の写本(書物を手書きで写したもの)を見て感動したそうです。次は鹿児島にも「聖地巡礼」に行く予定だそうです。

2人とも絶賛していて、『風雲児たち』が気になります。歴史はあまり得意ではないけれど、漫画だし楽しく読めそうです。日本への理解も、楽しみながら深められそう。
みなもと太郎
風雲児たち(ワイド版 第1巻)

関ヶ原の戦いから、幕末に志士たちが動き出すまでの日本を、ギャグを交えて描く歴史漫画です。ワイド版は全20巻で、続きの『幕末編』は34巻まで出ました。作者のみなもと太郎さんが2021年に亡くなり、物語は未完のまま終わっています。
- 出版社
- リイド社
- 刊行
- 2002年3月
- 仕様
- コミック・320ページ
- 楽天評価
- 4.7/5(39件)
- 値段
- 定価 ¥713
『白い巨塔』|教授選と根回しを描く、大学病院の小説
三宅さんが『白い巨塔』と『風雲児たち』に共通して見た日本らしさは、権威を求めて人が根回しで物事を動かすところでした。大学病院の教授選で票を集めるための接待が描かれるそうです。根回しをしなかった人が怒られる場面も、『風雲児たち』で見たやりとりだと話していました。
「ずっと政治の話をしている
」
全巻を読んだ三宅さんは、山崎豊子さんの文章も素晴らしいと改めて感じたそうです。竹下さんもこの小説を「大好き」と話していました。

『白い巨塔』は、小さいころ親がドラマを見ていたのを覚えています。小説があったのは知りませんでした。
山崎豊子
白い巨塔(一)(新潮文庫)

新潮文庫で全5巻の長編の1巻目です。国立大学の医学部で、外科の助教授・財前五郎が次の教授の座をめぐって動き出すところから始まります。
- 出版社
- 新潮社
- 刊行
- 2002年11月
- 仕様
- 文庫・432ページ(全5巻)
- 楽天評価
- 4.2/5(192件)
- 値段
- 定価 ¥825
『さがドーン』|「佐賀の乱」で悪者扱いされてきた江藤新平を描いた、1冊完結の漫画
『さがドーン』は、江藤新平と佐賀藩主・鍋島直正を描く、泰三子さんの歴史漫画です。竹下さんが面白いと話していたのは、「佐賀の乱」で反乱を起こした悪者のように扱われてきた江藤新平を、日本の司法制度を作った偉人として描いているところでした。佐賀で新聞記者をしていた竹下さんによると、地元では「佐賀の乱」を「佐賀戦争」と呼ぶこともあるそうです。
「江藤新平を復権させたなと思った
」
竹下さんが聞いた話では、泰さんが『だんドーン』で「日本警察の父」と言われる川路利良を描いていたころ、江藤新平を描くなら資料を出します、という連絡が佐賀県から編集部に来たそうです。泰さんは佐賀に足を運んで描いたとのこと。
三宅さんは、江藤新平を悪者にしたくないという佐賀県の人たちの気持ちが、たぶん泰さんに届いたのだろうと話していました。歴史が好きな泰さんが、従来のイメージも分かったうえで格好良く描いているところもいいそうです。
竹下さんの推しポイント
- 佐賀藩主の鍋島直正が面白い——江藤新平は天才だけれど、人の機微が分からず突き進む。それを理解して見守る、どの会社にもありそうな上司や専務の姿で、連載していた『モーニング』を読むビジネスパーソンに刺さるらしい
- 直正は時代を読むのが得意——いまは佐賀藩を動かすときではないと判断する
- 絶対に単行本で買ったほうがいい——なぜこれを描いたのかが、泰さんのコラムとして載っている
泰三子
さがドーン〜江藤新平と肥前の妖怪〜

幕末の佐賀藩で、のちに明治政府の初代の司法卿となる江藤新平と、藩主の鍋島直正が出会い、交わっていく話です。書名の「肥前の妖怪」は、ほかの藩から恐れられた直正のこと。『モーニング』に5話で載り、1冊で完結しています。
- 出版社
- 講談社
- 刊行
- 2026年8月
- 仕様
- コミック・176ページ
- 値段
- 定価 ¥792
『さがドーン』は、泰さんの『だんドーン』から生まれたスピンオフです。
泰三子
だんドーン(1)(モーニングKC)

薩摩藩の川路利良を軸に、幕末を描く歴史コメディの1巻です。川路は、のちに「日本警察の父」と呼ばれる人物。2023年に『モーニング』で連載が始まり、2026年8月に12巻が出ました。
- 出版社
- 講談社
- 刊行
- 2023年10月
- 仕様
- コミック・192ページ
- 値段
- 定価 ¥759
動画では版の指定はありません(作品として紹介されていたので、いま新品で買える版にリンクしています)
泰さんの代表作には、警察漫画の『ハコヅメ』もあります。
泰三子
ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜(1)(モーニングKC)

交番で働く新人の川合のもとに、刑事課から藤部長が異動してきて始まる警察漫画の1巻です。作者の泰三子さんは、県警に10年勤めたあと、専業の漫画家になりました。テレビドラマやアニメにもなり、第一部は23巻で完結しています。
紙の本の定価は715円です。確認時はAmazonのおすすめ出品が中古(103円+送料300円)で、楽天ブックスでも購入できなかったため、Kindle版を案内しています。
- 出版社
- 講談社
- 刊行
- 2018年4月
- 仕様
- コミック・160ページ
- 値段
- Kindle ¥792
動画では版の指定はありません(作品として紹介されていたので、いま新品で買える版にリンクしています)
畑の小説からAIの白書、医学雑誌まで、テクノロジーと向き合う本
『隣の畑は青々と』|十勝を舞台に、いまの農家の問題をリアルに描いた小説
三宅さんが『隣の畑は青々と』で面白いと話していたのは、機械への投資、後継ぎ、異常気象への対応といった農家の問題がリアルに描かれているところです。ほのぼのした農業のイメージとは違い、小説としても農家の問題の話としても面白かったそうです。
舞台は北海道の十勝。作者の河﨑秋子さんは、北海道・別海町の酪農家に生まれ、羊飼いもしていた小説家です。
河﨑秋子
隣の畑は青々と

舞台は北海道の十勝。3代続く農家の修司とその家族、隣の家の人、よそから移り住んだ人たちを描いた、書き下ろしの連作です。地元の大きな農場では、働く人が立てこもる事件も起きます。
- 出版社
- U-NEXT
- 刊行
- 2026年6月
- 仕様
- 単行本・224ページ
- 楽天評価
- 3.8/5(29件)
- 値段
- 定価 ¥1,980
三宅さんは、この小説を読んで、農業がテクノロジーで大きく変わる一方、技術ではどうにもならない自然とも向き合っているところが面白いと話していました。
畑を持ちたいという竹下さんが挙げたのは、AIの活用や、東京から遠隔で畑を耕す実験です。経営やマネジメントの工夫ができる点にも、面白さを感じているそうです。AIが言葉を扱うことに強くても、土地の匂いや光をつかむにはまだ時間がかかる、という見方です。そうした自然に関わる領域は大事な気がする、と話していました。
『AI白書2026』|年表でAIの流れをたどり、基礎を読み直す
竹下さんは『AI白書2026』を、AIの基礎を読み直すための本として薦めていました。誰もがAIを語れるいまこそ、分かっていなかったところや、ざっくり理解していたところを確かめ直せるのがいいそうです。
特に薦めていたのは、15年分のAIの年表です。2022年のChatGPTの登場に至るまでにも、2012年のトロント大学のチームの研究、AlphaGo、GPT-1など、さまざまな動きがあったことをたどれるそうです。中国の動きも含めて、流れが分かるとのこと。LLM(大規模言語モデル)についても、言葉を予測する、ネット上の文章を学ぶ、といった大まかな説明から、さらに掘り下げて理解できると話していました。
竹下さんの話から
AIの本や白書の、見つけ方と読み方
- どこで見つけるか
- 大型書店
- 白書はどんなペースで買うか
- 『AI白書』は毎年。白書が大好きで、いつも買う
- なぜ紙で持つのか
- 紙だと、どのあたりに何が書いてあったかを覚えていられる。家に置いて、ページをめくって眺める
- 何を優先して読むか
- 最新の情報より、基礎を押さえる本。そのほうが頭に残り、考えが深まる
岩澤有祐・鈴木雅大 監修/東京大学 松尾・岩澤研究室 協力
AI白書2026

A4判で400ページある、AIの白書の2026年版です。「技術動向」「産業の動向」「法制度とガバナンス」などの章があり、企業がAIをどこまで導入しているかを調べた結果も載っています。AIの歩みをたどる年表も入っています。
- 出版社
- 角川アスキー総合研究所(発売 KADOKAWA)
- 刊行
- 2026年8月
- 仕様
- 単行本・400ページ
- 値段
- 定価 ¥5,940
基礎を確かめる本としては、Newtonの別冊も読んでいるそうです。
三宅さんは、AIに詳しい竹下さんがそれでも基礎の本を読んでいることに感心していました。
「素振りをこれでしている
」
ニュートンプレス
Newton別冊 ChatGPTの未来

ChatGPTのしくみと、仕事や法律、教育や科学がどう変わっていくかを、プロローグと4つの章で解説したNewtonの別冊です。消費電力や著作権のような、生成AIをめぐる課題も取り上げています。
- 出版社
- ニュートンプレス
- 刊行
- 2024年2月
- 仕様
- 単行本・144ページ
- 値段
- 定価 ¥1,780
『よくわかる 人工知能のすべて』も、基礎を読み直すために読んでいる本だそうです。
ニュートンプレス
Newton別冊 よくわかる 人工知能のすべて

副題は「生成AIとは何か?/AIは社会をどのように変えるのか?」。AIとは何かという基本から、ChatGPTなどの生成AIのしくみ、教育や医療、自動運転での使われ方、AIとの共存までを扱った、Newtonの別冊の2024年版です。
- 出版社
- ニュートンプレス
- 刊行
- 2024年6月
- 仕様
- 単行本・176ページ
- 値段
- 定価 ¥1,980
この2024年版と、2026年に出た最新版を読み比べているそうです。
ニュートンプレス
Newton別冊 よくわかる人工知能のすべて 最新版

2024年の『よくわかる 人工知能のすべて』と同じ書名に「最新版」が付いた、2026年版です。AIとは何かを説明する最初の章は2024年版と同じ並びで、「AI科学革命」の章が新しく入り、生成AIの章には動画の生成や推論型のAIの話が加わっています。
- 出版社
- ニュートンプレス
- 刊行
- 2026年7月
- 仕様
- 単行本・176ページ
- 値段
- 定価 ¥1,980
『実験医学』2026年5月号|研究者のための、生成AIの活用術
『実験医学』2026年5月号で読めるのは、論文の執筆やデータ解析、研究室の管理など、研究で生成AIを使う方法です。特集1「研究が超絶はかどる生成AI活用術」では、AIを使うときの心構えも扱っています。
竹下さんは、丸善などの医療の売り場でAIのキーワードがある雑誌を片っ端から手に取り、この号を持ってきたそうです。「今医療は生成AIを使いまくっている」と話していました。

医療でAIが使われているなんて、知りませんでした。私はエンジニアなので毎日使っていますが、違う分野での使われ方も気になるので、読んでみたいです。考えてみると、ほかの分野の仕事がいまどうなっているのか、全然知らないなと思いました。
竹下さんは、記事だけでなく、雑誌にどんな会社が広告を出しているかもよく見ているそうです。広告主を調べ、初めて知る会社もあるとのこと。三宅さんも、専門雑誌の広告からその分野の周りの会社が分かるところが面白いと話していました。
尾崎遼・神田元紀・加藤月 編
実験医学 2026年5月号

生命科学や医学の研究者が読む月刊誌です。この号の特集1には、ChatGPTとNotebookLMの入門から、Claude CodeでAIエージェントを動かす話までが並びます。特集2は、研究そのものを自動化する挑戦がテーマです。
- 出版社
- 羊土社
- 刊行
- 2026年4月
- 仕様
- 月刊誌
- 値段
- 定価 ¥2,750
小説にならなかった歴史を、作家のエッセイで読む
『談話室米澤』|三宅さんが机の横の棚に入れた、米澤穂信さんのエッセイ集
『談話室米澤』で三宅さんが「良すぎた」と話していたのは、小説にならなかった歴史のエピソードです。歴史ものを書くために調べても、小説にはならない部分があるそうで、そうしたこぼれ落ちた話をたくさん読めるエッセイ集として薦めていました。
作者の米澤穂信さんは、〈古典部〉シリーズのほか、戦国時代を舞台にした『黒牢城』のような歴史ミステリーも書いています。
三宅さんは、ふつうの本棚とは別に、執筆に詰まったときに読み返す本を、机の横の棚に置いているそうで、この本もその棚に入ったとのこと。
「人としてこうありたいみたいな気持ちになった
」
三宅さん
こんな人に
- こんな人に:歴史が好きな人
米澤穂信
談話室米澤

米澤穂信さんのデビュー25年を機にまとめたエッセイ集で、全68篇が入っています。最初の章には、2022年に日本経済新聞夕刊の「プロムナード」欄に連載したエッセイが収められ、五稜郭や東慶寺、高山陣屋をめぐる話が並びます。麻婆豆腐や炊飯の話もあります。
- 出版社
- 日本経済新聞出版
- 刊行
- 2026年8月
- 仕様
- 単行本・244ページ
- 楽天評価
- 3.3/5(19件)
- 値段
- 定価 ¥1,980
三宅さんが米澤さんの小説の例に挙げた〈古典部〉シリーズは、この『氷菓』から始まります。
米澤穂信
氷菓(角川文庫)

〈古典部〉シリーズの1作目で、米澤穂信さんのデビュー作です。高校の古典部の部員たちが、33年前の出来事の謎を追う青春ミステリーで、シリーズは2作目の『愚者のエンドロール』へと続きます。
- 出版社
- KADOKAWA
- 刊行
- 2001年10月
- 仕様
- 文庫・224ページ
- 楽天評価
- 3.6/5(1,579件)
- 値段
- 定価 ¥792
動画では版の指定はありません(作品として紹介されていたので、いま新品で買える版にリンクしています)
とことん突き詰める人の本を、旅と冒険で読む
『旅はゲストルーム』|世界のホテルの部屋を測り、平面図に描いた建築家の本
『旅はゲストルーム』は、建築家・インテリアデザイナーの浦一也さんが、世界のホテルの部屋の寸法を測り、縮尺つきの図と文章で紹介する本です。三宅さんは、高級ホテルや監獄っぽいホテル、知らなかったフランスのホテルなど、さまざまな部屋を描くイラストがいいと話していました。
「観光地の話ほぼゼロ
」
浦さんはどのホテルに行っても、まず部屋の寸法を全部測り、机の脚の長さまで測るとのこと。レストランでは測るのが恥ずかしいので、服の第2ボタンの高さなどを目安に寸法を覚え、あとで描くこともあるそうです。
この徹底ぶりに、竹下さんは「過剰に生きるって大事ですね」と話していました。

部屋に泊まった気分になれそうで、読んでみたいです。寸法を測って図を描いているのが、面白すぎます。
浦一也
旅はゲストルーム(知恵の森文庫)

副題は「測って描いたホテルの部屋たち」。建築家の浦一也さんが、泊まった部屋を採寸して描いた平面図に文章を添え、世界各地のホテルの69の客室を紹介します。2001年に東京書籍から出た本に手を加えて、2004年に文庫になりました。
- 出版社
- 光文社
- 刊行
- 2004年12月
- 仕様
- 文庫・360ページ
- 値段
- 定価 ¥946
『43歳頂点論』|探検家の角幡唯介さんが、43歳を頂点と見て、その先の衰えと向き合う
竹下さんの「過剰に生きる」を受けて、三宅さんが「いい本だった」と出したのが、角幡唯介さんの『43歳頂点論』です。
角幡さんが43歳を仕事の頂点と捉え、その後の衰えとどう向き合うかを書いた本だそうです。三宅さんは、中年の危機を扱う本のなかでも、登山などで体を酷使してきた冒険家に、本当に限界が来るときの感覚を読めるところが面白いと話していました。作家の開高健さんが釣りをしだす話も出てきて、過剰に荒野を求めてきた人たちが変わっていく瞬間も描かれているそうです。
三宅さんは、体の衰えとともに、冒険に向けてきた「過剰さ」の形が変わるのかもしれないと受け止めていました。自分の楽しみ方と向き合うのが大事なのかな、と話していました。

歳をとったときのことや、どう生きていくかを考えることがあるので、『43歳頂点論』を読んでみたいです。
角幡唯介
43歳頂点論(新潮新書)

40代の後半に入った探検家の角幡唯介さんが、人生の全盛期を43歳と見て、そこまでの膨張期、頂点、そのあとの減退期に分けて考えた新書です。植村直己さんら、43歳で亡くなった冒険家たちのことも取り上げています。
- 出版社
- 新潮社
- 刊行
- 2025年11月
- 仕様
- 新書・240ページ
- 楽天評価
- 3.9/5(35件)
- 値段
- 定価 ¥1,034
ラーメンから愛国心を読む
『ラーメンと愛国』|流行り続けるラーメンと、ナショナリズムの結びつきを論じた新書
三宅さんは『ラーメンと愛国』を、ラーメンと日本の歴史をたどりながら、ナショナリズムとの結びつきを考える本として紹介していました。速水健朗さんが2011年に出した新書です。
読むきっかけは、音楽や本が昔ほど親しまれなくなったと言われるなかでも、ラーメンは2011年からいままで流行り続けているという気づきでした。三宅さんは、それが気になって、積んでいたこの本を読んだそうです。
ラーメンへの愛着は、どんな気持ちか
三宅さん
本が言うのは、「日本はこうあるべき」とは違うナショナリズム
速水さんは、ラーメンを「文化的・趣味的共同体としてのナショナリズム」と呼んでいる。「日本はこうあるべき」と強く言うナショナリズムよりも、もっと単純な郷土愛のようなもので、徳島ラーメンのようなご当地ラーメンや、ちょっとしたスローフードのような考え方も入り込んでいる。
竹下さん
ちょっと誇らしいけれど、愛国心という言葉とは違う温かさ
ニューヨークで一風堂を見ると、日本が受け入れられているようで、ちょっと誇らしい。ただそれは、ナショナリズムや愛国心という政治的な言葉とは違う感じ。地域愛とも、狂信的なナショナリストとも違う、なんだか温かいもの。
三宅さんがさらに面白いと話していたのは、ラーメンはもともと日本の食べ物ではなく、お米のように昔から食べてきたものでもないのに、最近できた日本らしさを、私たちがすんなり受け入れていることでした。
速水健朗
ラーメンと愛国(講談社現代新書)

ラーメンがどう広まり、どう変わってきたかを、戦後日本の歩みと重ねて読み解く新書です。章の題には「ラーメンとアメリカの小麦戦略」「国土開発とご当地ラーメン」などが並び、最後の「ラーメンとナショナリズム」の章では、テレビのリアリティショーとの関係も取り上げます。
紙の本の定価は836円です。確認時はAmazonのおすすめ出品が中古(519円+送料350円)で、楽天ブックスでも購入できなかったため、Kindle版を案内しています。
- 出版社
- 講談社
- 刊行
- 2011年10月
- 仕様
- 新書・288ページ
- 値段
- Kindle ¥781
動画の本との違い:紙と電子動画の本は講談社現代新書の紙の本(2011年)。
アメリカ建国250年を、雑誌で学び直す
『中央公論』2026年7月号|特集「建国250年 アメリカを学び直す」
竹下さんが持ってきた本の中で、三宅さんが気になると言ったのが、『中央公論』2026年7月号です。アメリカ建国250年の特集を組んだ号で、竹下さんは、いい号だったと話していました。
中央公論新社
中央公論 2026年7月号

特集「建国250年 アメリカを学び直す」には、独立から今日までのアメリカの歴史をたどる久保文明さんの論考、「福音派はなぜイスラエルを支持するのか」を題にした加藤喜之さんと鶴見太郎さんの対談、三牧聖子さんや渡辺靖さんらの論考が並びます。
- 出版社
- 中央公論新社
- 刊行
- 2026年6月
- 仕様
- 月刊誌
- 値段
- 定価 ¥1,100
動画の冒頭に流れる、2人が収録前の1か月に読んだ本
番組の冒頭に、2人が収録(2026年9月4日)前の1か月に読んだ本の一覧が出ます。動画に映る一覧のとおりに並べました。
三宅香帆さんが読んだ本

測って描く旅
浦一也 ・ 彰国社

談話室米澤
米澤穂信 ・ 日本経済新聞出版

宝くじの文化史
ゲイリー・ヒックス/高橋知子 訳 ・ 原書房
2011年の本です。2026年10月12日にAmazonと楽天ブックスを確認した範囲では、送料込みで定価以下の新品は見つかりませんでした

隣の畑は青々と
河﨑秋子 ・ U-NEXT

日本の自殺
グループ一九八四年 ・ 文藝春秋
2012年の新書です。2026年10月12日の確認時、Amazonのおすすめ出品は中古で、楽天ブックスでは購入できませんでした

ラーメンと愛国
速水健朗 ・ 講談社

43歳頂点論
角幡唯介 ・ 新潮社

白い巨塔〈第1巻〜5巻〉
山崎豊子 ・ 新潮社

旅はゲストルーム
浦一也 ・ 光文社
竹下隆一郎さんが読んだ本

AI白書 2026
岩澤有祐・鈴木雅大 監修/東京大学 松尾・岩澤研究室 協力 ・ 角川アスキー総合研究所

Newton別冊 よくわかる 人工知能のすべて
ニュートンプレス

Newton別冊 よくわかる 人工知能のすべて最新版
ニュートンプレス

Newton別冊 ChatGPTの未来
ニュートンプレス

実験医学 2026年5月号
尾崎遼・神田元紀・加藤月 編 ・ 羊土社

中央公論 2026年7月号
中央公論新社

風雲児たち
みなもと太郎 ・ リイド社

さがドーン 江藤新平と肥前の妖怪
泰三子 ・ 講談社
今回の記録:2026年10月、三宅香帆さんと竹下隆一郎さんが本を持ち寄る回(30分7秒)を視聴。話に出た本と、冒頭の一覧の本を1つずつ調べた。 結論:動画で分かったのは、話に出た本と、2人がどこを面白がったか。〈古典部〉シリーズのどれから読むかと、出版社による本の紹介、いまどこでいくらで買えるかは、そのあと調べて分かった。

関連記事三宅香帆さんと竹下隆一郎さんのおすすめ本9冊まとめ|歴史ギャグ漫画『風雲児たち』から、ブリリアント・ジャーク、AIとペアを組む本まで
三宅さんが竹下さんに『風雲児たち』を贈った、同じ番組の2026年9月11日公開の回です。
2026-09-15
あわせて読みたい
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