三宅香帆さんの推し小説4冊と、登場人物に選んだKANEBOのルージュ|『ティファニーで朝食を』×V02ほか
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この記事に出てくるもの
9点
文芸評論家の三宅香帆さんが、メイク描写の好きな小説を4冊挙げて、その登場人物がつけていそうなルージュをKANEBOのリップから選んだ回です。チャンネル「三宅書店」で公開された、KANEBOとの企画です。

本の回?コスメの回?

両方です! 4冊と、選んだ色の組み合わせをまとめました。
4冊の小説と、選んだルージュ
1冊目『ティファニーで朝食を』|手紙を読む前に口紅を引くホリーに、V02
1冊目は、トルーマン・カポーティの『ティファニーで朝食を』。映画が有名ですが、三宅さん曰く、映画もいいけれど小説もとてもいいそうです。舞台は第二次世界大戦中のニューヨークで、主人公のホリーは新人女優です。
とても好きなシーンとして挙げていたのは、入院中のホリーに好きな人から手紙が届くところ。好きな人に見られるわけでもないのに、ホリーは手紙を読む前に、まず口紅を引こうとします。三宅さんが好きな村上春樹さんの訳では、こう書かれています。
そこの引き出しから化粧バッグをとってくれない? 女たるもの口紅もつけずにその手の手紙を読むわけにはいかないもの
本の推しポイント
三宅さん
『ティファニーで朝食を』
- 後半に見えてくる危うさ——男性を振り回す小悪魔に見えて、後半になるほど危うさが出てくる
- 強がりからにじむ生命力——虚勢を張っていても、ホリー自身の生命力が伝わってくる
- 化粧の書き方の細かさ——男性作家が、鏡のない病室でコンパクトを使うところまで描いていることに驚いた
- 名作なのに意外と短い——カポーティはもともと短編がうまい作家
トルーマン・カポーティ
ティファニーで朝食を(新潮文庫)

表題作は、同じアパートに住む駆け出しの作家〈僕〉の目から、自由奔放な新人女優ホリー・ゴライトリーを描いた物語。ほかに「花盛りの家」「ダイアモンドのギター」「クリスマスの思い出」の3編が入った、村上春樹さんの訳です。
- 出版社
- 新潮社
- 刊行
- 2008年11月
- 仕様
- 文庫・288ページ
- 楽天評価
- 3.9/5(431件)
- 値段
- 定価 ¥737
ホリーにぴったりだと選んだのが、ルージュスターヴァイブラントのV02です。
リップの推しポイント
三宅さん
ルージュスターヴァイブラント V02
- ホリーの唇になる色——ホリーの内側の強い生命力が、唇にも出ているように感じる
- 誰でもいける色——唇の青みが強く出る三宅さんでも、きれいな色に出た。いろんな人が使いやすい色なのでは
- 誰がつけてもツヤっとする
この色を「ホリーリップ」と名付けていました。
「本当 これつけて『ティファニーで朝食を』を読みたいと思いながらやってました
」

『ティファニーで朝食を』の手紙を読む時に化粧する描写、良すぎる、、、
村上春樹さん訳のをホリーリップつけて読みたい、、、!
KANEBO
KANEBO ルージュスターヴァイブラント V02

公式の色の説明は「肌の色に自然になじみ、落ち着きのある、まろやかなクラシカルレッド」。
- シリーズ
- ルージュスターヴァイブラント
- 色
- V02 Classical Red
- 内容量
- 3.7g
- 値段
- ¥5,060
2冊目『放課後の音符』|赤い口紅をあどけなくつけるレイコさんに、V04
2冊目は山田詠美さんの『放課後の音符(キイノート)』。三宅さんが中学生のころに何度も読み返した本で、本人いわく「ルージュ小説」。紹介していたのは、収録作の「Red Zone」です。
語り手の友達カズミちゃんは、彼氏が別の女性と付き合い始めて失恋します。その相手が28歳のレイコさんで、すごく素敵な大人の女性。赤い口紅については、こんな一節を紹介していました。
赤い口紅が気だるく見えるうちはつけない方がいいんだよね。本当の大人の赤い唇って絵の具の箱の中のあの色みたいにあどけないんだ。
三宅さん曰く、いかにも大人っぽい赤をつけても、大人には見えず、コスプレのようになってしまう。レイコさんは赤い口紅を、むしろあどけないものとしてつけていて、そこが大人なのだそうです。
山田詠美
放課後の音符(キイノート)(新潮文庫)

語り手は17歳の女子高生。まわりの女の子たちの恋を見聞きしながら、少しずつ大人に近づいていく連作短編集です。「Body Cocktail」から「Keynote」までの8編で、三宅さんが挙げた「Red Zone」は5編目です。
- 出版社
- 新潮社
- 刊行
- 1995年3月
- 仕様
- 文庫・224ページ
- 楽天評価
- 4.0/5(509件)
- 値段
- 定価 ¥649
レイコさんがつけていそうな口紅として選んだのが、ルージュスターヴァイブラントのV04です。
「でもこれは浮かない赤だな
」
山田詠美さんの小説に出てくる子がつけていそうな色で、作品のファンにすすめたいそうです。

『放課後の音符』のレイコさん、いいなあ〜。赤リップって実世界でも素敵だし、小説とかに出てくるとなんか印象的ですよね。
V04欲しい〜
KANEBO
KANEBO ルージュスターヴァイブラント V04

公式の色の説明は「肌の色にしっくりとなじみ、美しくみせるコアレッド」。
- シリーズ
- ルージュスターヴァイブラント
- 色
- V04 Core Red
- 内容量
- 3.7g
- 値段
- ¥5,060
3冊目『痴人の愛』|洋服に合う唇に変わったナオミに、V07
3冊目は、谷崎潤一郎の『痴人の愛』。譲治が少女ナオミを引き取り、自分の理想の西洋風の女性に育てようとする話です。
読み上げていたのは、本当に西洋風になったナオミの唇に、譲治がハッとする場面です。
唇なども、上唇の真ん中のところが、ちょうど桜の花弁のように、いやにカッキリと二つに割れていて、しかもその紅さは、普通の口紅をさしたのとは違った、生き生きとした自然のつやがある。
三宅さんが面白いと話していたのは、理想の西洋風にしようとしていたのに、本当にそうなると、譲治のほうが戸惑ってしまうところです。
本の推しポイント
三宅さん
『痴人の愛』
- 着物から洋装へ——異国の香水をまとい、たぶん着物に合う唇だったのが、洋服に合うルージュへ変わっていく
- 谷崎の最高の文章——この場面の描写は、ぜひ原文で読んでほしい
- 情けない男性の描き方——作品ではナオミのほうが有名だけど、谷崎は譲治のような情けない男性を描くほうが筆が乗っている気がする。そういう目線でも楽しめる
谷崎潤一郎
痴人の愛(新潮文庫)

1924年に連載が始まった、谷崎潤一郎の長編です。語り手は会社員の河合譲治。美しく育ったナオミに、しだいに振り回されていきます。
- 出版社
- 新潮社
- 刊行
- 1947年11月
- 仕様
- 文庫・464ページ
- 楽天評価
- 3.9/5(683件)
- 値段
- 定価 ¥781
着物ではなく洋服に合いそうな、今っぽい色として選んだのが、ルージュスターヴァイブラントのV07。少しブラウンがかった色で、紹介中に三宅さんがつけていたのもV07です。
「洋服で自分の日常なんだけど、自分の中で気分的にはドレッシーみたいな、ちょっとおしゃれしてますみたいな、そういう日につけたい色だなって思う
」
リップの推しポイント
三宅さん
ルージュスターヴァイブラント V07
- ブラウンなのに、これはいける——おしゃれだけど勇気が出ない、という感じの色なのに、つけても浮かない
- 今回いちばん好きかも——どの色も好きだけど、自分の中で使いやすい
- ナオミもこんな色だったのでは——最初から真っ赤ではなく、着物ではつけなかったおしゃれっぽい色

日常なのにお洒落したい日って表現めっちゃいいです〜
てことでV07も欲しい!
KANEBO
KANEBO ルージュスターヴァイブラント V07

公式の色の説明は「心の奥底の欲望を解放するような、静かな力強さを纏うインモストデザイア」。
- シリーズ
- ルージュスターヴァイブラント
- 色
- V07 Inmost Desire
- 内容量
- 3.7g
- 値段
- ¥5,060
三宅さんは、自著『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で、『痴人の愛』は当時の「なろう小説」だったのでは、という持論を書いているそうです。
「なろう小説」は、小説投稿サイト「小説家になろう」に掲載される小説の呼び名です。
三宅香帆
なぜ働いていると本が読めなくなるのか(集英社新書)

明治から2010年代まで、日本人の働き方と読書の関係を時代ごとにたどり、働いていると本が読めなくなる理由を探る新書です。
- 出版社
- 集英社
- 刊行
- 2024年4月
- 仕様
- 新書・288ページ
- 楽天評価
- 3.8/5(1,585件)
- 値段
- 定価 ¥1,100
4冊目『アンソーシャル ディスタンス』|化粧品を売る茜音さんに、D207
最後は、金原ひとみさんの短編集『アンソーシャル ディスタンス』に収録された「コンスキエンティア」。主人公の茜音さんは、化粧品を売っている人です。
三宅さん
こんな人に
- こんな人に:コスメや美容が好きな人
三宅さんは、書き出しを他人の顔への評価だと思って読んでいたら、実は主人公が自分の顔を細かく評価していて驚いたそうです。
本の推しポイント
三宅さん
『アンソーシャル ディスタンス』
- 違う顔と違う男性——夫とうまくいかず、もう1人男性が出てくる。化粧で違う顔になることと、違う男性と付き合うことが重ねられている
- 捨てきれない愛着——気に入っている自分の顔にも、うまくいかない相手にも愛着がある。その捨てきれなさをメイクに重ねて描くところが好き
三宅さん曰く、茜音さんが本当に楽しそうなのは、実は1人でメイクしている瞬間なのではないか、とのこと。
選んだのは、ルージュスタードラマのD207です。三宅さんは、人に見せる顔に迷う茜音さんがつけたら、自分の色はこれだと思えるのでは、と話していました。
「どんな人がつけても自分らしさが出てくる色って、こういう色だなってつけてみて結構 納得しました
」
三宅さんが感じたつけ心地の違いは、次のとおりです。
- ヴァイブラント(V02・V04・V07):ツヤが出る
- ドラマ(D207):唇に密着する感じ
KANEBOによると、ドラマは細めの形で唇の輪郭を描きやすく、唇にぴったり密着する膜をつくるリップです。
KANEBO
KANEBO ルージュスタードラマ D207

公式の色の説明は「黄みと青みの絶妙なバランスのカラーが、無条件の愛を思わせ、優しさと強さを与えるフィグレッド」。
- シリーズ
- ルージュスタードラマ
- 色
- D207 Unconditional Red
- 内容量
- 2.5g
- 値段
- ¥5,060
投票で決まった限定色4本
4冊の話のあとで、ファンの投票で決まったKANEBOの限定色4本も紹介していました。2026年10月9日発売です。
三宅さんが素敵だと話していたのは、選んだ人たちのエピソードや気持ちです。
- 復刻色2本:2024年の限定色から復刻。結婚式でつけた、頑張ろうと思って買ったなど、人生の小説みたいなエピソードが寄せられたそうです。
- 新色2本:つけたいという気持ちで選ばれた色。こういう色をつけたら未来が少し明るくなる、という希望が詰まっているそうです。

ルージュスターヴァイブラント EX17 Petal Moment(限定新色)
KANEBO
今回の記録:2026年11月、三宅香帆さんの動画(27分15秒)を視聴。4冊の版とリップ4色を確認。
確認したこと:概要欄ではV04・V07が逆でしたが、動画で選んだのは『放課後の音符』がV04、『痴人の愛』がV07でした。
備考:しゅりが欲しいのはV04とV07。
コスメ好きと本好きは、重なっているはず
三宅さんによると、本好きにはコスメを集めている人も多いそうです。サイン会でも、紹介したコスメを使ったと読者からよく聞くのだとか。
それなのに、コスメ好きと本好きはメディアではなかなか出会わないと感じていたそうです。だからこの回で話せてうれしい、と話していました。

私自身、コスメ好きかつ本好きだけど、そういう層ってあんまりいないのかと思ってたんですよね。
書く記事の題材、どっちかに寄せた方がいいのかなと思ってきてたんですが、これからもこの方針で突き進もうと思えました!
引用の出どころ(出典1件)
本の一節は、動画で三宅さんが読み上げた箇所です。
- 『ティファニーで朝食を』『放課後の音符』:動画の字幕の表記を採用。書籍本文とは照合していません。
- 『痴人の愛』:青空文庫に収録された新潮文庫版の表記を採用。動画の字幕とは一部異なります。

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2026-09-04
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