松岡茉優さんが本屋で買った5冊と、好きな本・人に勧める本(2026年・本ツイ!)
出典:出版区『本ツイ!』
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34点

本屋で1万円の買い物、今回は誰?

俳優の松岡茉優さんです。1万円で買ったのは5冊でした。
松岡茉優さんが出ていたのは、本の卸売会社トーハンの公式チャンネル出版区の「本ツイ!」第187回。著名人に1万円を渡して、本屋の買い物にカメラが同行する企画で、今回の店はブックファースト新宿店です。
この記事では、松岡さんが1万円で買った5冊と、売り場を回りながら話に出た本29冊、全部で34冊をまとめました(ほかに『どこいったん』と同じシリーズの絵本2冊)。
松岡さんの話から
松岡さんの本の選び方
- どんな本を読むか
- 物語・絵本・エッセイ・新書・漫画・雑誌。本と名の付くものは全部
- 単行本と文庫をどう選ぶか
- 単行本で買うことも多いけれど、持ち歩くと重いので、文庫になったら欲しい本もある
- 棚で何に目が行くか
- 装丁。その作家らしい雰囲気が出ていると嬉しい。ツヤの加工の違いまで触って見る
- 読んだ本をどう残すか
- ブクログ(読んだ本を登録しておけるWebの本棚)につけている
1万円で買った5冊
レジまで持っていったのは、次の5冊です。並びは、買うと決めた順。
1冊目『その犬をください』|話題書の棚で最初に選んだ、逢坂冬馬さんの新作
話題書の棚で最初に選んだのが、逢坂冬馬さんの新作です。逢坂さんの既刊では、『同志少女よ、敵を撃て』と『歌われなかった海賊へ』も読んでいたそうです。
逢坂冬馬
その犬をください(KADOKAWA)

令和の初夏、進学校に入った楓が、ある日から学校へ通えなくなります。「戦争」の語が頭から離れないのです。家では、同じく元気をなくした引退警察犬のリッキー。楓の話は4編目。ほかに明治初期の東京、昭和7年の渋谷駅、日米開戦後の犬の供出と、近代日本と戦争、人と犬をめぐる短編が並びます。
- 出版社
- KADOKAWA
- 刊行
- 2026年9月
- 仕様
- 単行本・320ページ
- 楽天評価
- 4.0/5(28件)
- 値段
- 定価 ¥2,145
2冊目『誤訳するこの世界で僕は』|ブレイディみかこさんの、物語の新刊
エッセイやノンフィクションで知られるブレイディみかこさんの、長編小説です。この本は物語なので読みたい、と選んでいました。
ブレイディみかこ
誤訳するこの世界で僕は(講談社)

イギリスの海辺の町へ留学してきた「僕」が間借りした家の大家さんは、情の厚い人。けれど、人に明かさない過去があるようです。ブレイディみかこさんの長編小説で、翻訳家の柴田元幸さんが推薦の言葉を寄せています。
- 出版社
- 講談社
- 刊行
- 2026年10月
- 仕様
- 単行本・256ページ
- 値段
- 定価 ¥2,090
3冊目『ぼくは青くて透明で』|新刊が出たら手に取る、窪美澄さんの文庫
窪美澄さんは、新刊が出たら手に取る作家だそうです。
窪美澄
ぼくは青くて透明で(文春文庫)

窪美澄さんが初めて少年どうしの恋を書いた小説です。語り手は、地方の高校へ移ってきて、新しい学校では目立たずに過ごそうと決めた「ぼく」。同じクラスの優等生・忍とのあいだで、互いへの思いが少しずつ育っていきます。
- 出版社
- 文藝春秋
- 刊行
- 2026年7月
- 仕様
- 文庫・272ページ
- 楽天評価
- 3.6/5(20件)
- 値段
- 定価 ¥880
4冊目『ハリー・ポッターと賢者の石』20周年記念版|4つの寮の色から、スリザリン版
ハリー・ポッターは、まだ読んだことがないそうです。映画も見たのは『賢者の石』だけ。続きの『秘密の部屋』は、屋敷しもべ妖精のドビーが出てきた瞬間に怖くなって、映画館のロビーで待っていたのだとか。ゲームの『ホグワーツ・レガシー』をやって、今なら読めるかも、と思ったそうです。
最初に手に取ったのは文庫で、「これなら小さいし」と話していました。「本ツイ!」でハリー・ポッターを買った人は初めて、と聞いて、大きい単行本のほうへ。
表紙が4つの寮の色に分かれた20周年記念版を見つけて、スリザリンの1冊にしました。選んだ理由は、前にやった、心理テストのような組み分けだそうです。
「何度やってもスリザリン
」
それでも少し迷ったそうですが、大きいほうがハリー・ポッターらしいかも、という聞き手の青木さんの一言もあって、文庫ではなく大きい単行本に決めていました。
J.K.ローリング 作 / 松岡佑子 訳
ハリー・ポッターと賢者の石 スリザリン<20周年記念版>(静山社)

11歳になった日、魔法学校から入学の許可が届いたハリー。汽車はキングズ・クロス駅の「9と3/4番線」を出て、ホグワーツへ向かいます。初版から20年を記念して寮ごとに作られた4冊のうちのスリザリン版で、寮の創始者や紋章などを紹介する付録が物語の前後に付いています。
- 出版社
- 静山社
- 刊行
- 2018年11月
- 仕様
- 単行本・512ページ
- 値段
- 定価 ¥2,750
5冊目『カーサの猫村さん 旅の手帖』|持っていなかった、猫村さんの1冊
最後はコミックの棚で。ほしよりこさんの漫画の主人公、家政婦の猫の「猫村さん」が大好きで、この本は持っていなかった、と選んでいました。
ほしよりこ
カーサの猫村さん 旅の手帖(マガジンハウス)

寝台列車カシオペアの取材にひとりで乗り込むのは、雑誌の編集部を手伝う猫の猫村さん。その前には編集長と一緒に、京都や松本、萩や角館などを回ります。旅先の写真やお店の情報も載った、ほしよりこさんのマンガです。
- 出版社
- マガジンハウス
- 刊行
- 2012年4月
- 仕様
- 単行本・176ページ
- 楽天評価
- 3.8/5(29件)
- 値段
- 定価 ¥1,650
5冊で9,515円。回り始めてすぐのころは、端数は文房具で合わせて「きっちり使い切りたい」と話していました。実際にはレジで『葬送のフリーレン』のシールくじ(660円)を足して10,175円になり、はみ出した分は自分で払っています。
新刊・話題書の棚で話に出た本
ここからは、買わなかったけれど売り場で話に出た本です。まずは話題書と、文芸の新刊の棚から。
『同志少女よ、敵を撃て』『歌われなかった海賊へ』|どちらも読んだ、逢坂冬馬さんの2冊
新作『その犬をください』を手に取ったとき、「どっちも読みました」と話していた、逢坂さんの既刊の2冊です。どちらも、第二次世界大戦のさなかを生きる若者を描いた小説。2冊とも、読むのはしんどかったけれど、人物描写がすごかったそうです。
逢坂冬馬
同志少女よ、敵を撃て(ハヤカワ文庫JA)

スターリングラードへ向かう女性狙撃小隊に、セラフィマという狩りの名手がいます。独ソ戦が続く1942年、モスクワ近くの村の暮らしをドイツ軍に奪われ、母を殺されて、復讐を誓ったのです。第11回アガサ・クリスティー賞大賞を受けた逢坂冬馬さんのデビュー作で、2022年に本屋大賞も受賞。
- 出版社
- 早川書房
- 刊行
- 2024年12月
- 仕様
- 文庫・608ページ
- 楽天評価
- 4.3/5(748件)
- 値段
- 定価 ¥1,375
逢坂冬馬
歌われなかった海賊へ(ハヤカワ文庫JA)

ヒトラー・ユーゲントに立ち向かう少年少女、エーデルヴァイス海賊団。1944年のドイツで、父を処刑され、行き場のない少年ヴェルナーが彼らと出会います。やがて市内の線路の先で、彼らは何を見て、どう動いたのか。逢坂冬馬さんの本屋大賞受賞後の第一作で、第15回山田風太郎賞の候補作です。
- 出版社
- 早川書房
- 刊行
- 2026年9月
- 仕様
- 文庫・464ページ
- 楽天評価
- 4.2/5(14件)
- 値段
- 定価 ¥1,320
『ファイア・ドーム』|読みたかったけれど、しんどい作品は仕事をしている期間は避ける
辻村深月さんの上下巻を見て、「これ読みたかった」。25年前の誘拐殺人事件の因縁が残る町を描いた、ミステリーです。ただ、この本もしんどそうなのだとか。
しんどすぎる作品は、本でも映画やドラマでも動けなくなって仕事にならないので、仕事をしている期間は避けるそうです(休みの期間ならいいのだとか)。
辻村深月
ファイア・ドーム(上)(小学館)

噂は、事件の加害者だけでなく被害者の側にも燃え広がりました。舞台は25年前に百貨店受付嬢誘拐殺人事件が起きた地方都市。静けさが戻ったかに見える町で、残る因縁が新しい事件を呼びます。辻村深月さんが7年をかけて書き上げた、作家デビュー22年の記念作となるミステリーの上巻です。
- 出版社
- 小学館
- 刊行
- 2026年6月
- 仕様
- 単行本・464ページ(上巻)
- 楽天評価
- 4.6/5(554件)
- 値段
- 定価 ¥2,090
『あの日のチョコレート』『しろとくろの偏愛』|チョコの箱の装丁と、千早茜さんの新刊
文芸の新刊の棚で、表紙がチョコの箱のデザインになっているのを「可愛い」と指さしたのが、5人の作家のチョコレートの短編集です。
江國香織・小川糸・角田光代・千早茜・凪良ゆう
あの日のチョコレート 〜スヰートな5つの欠片〜(白泉社 MOE BOOKS)

銀色の紙にくるまれた板チョコを題材に、5人の作家が書いた短編が並びます。江國香織さん、小川糸さん、角田光代さん、千早茜さん、凪良ゆうさんの5人が、月刊誌『MOE』で2025年から2026年にかけて連載した作品を、1冊にまとめた本です。
- 出版社
- 白泉社
- 刊行
- 2026年9月
- 仕様
- 単行本・168ページ
- 楽天評価
- 4.1/5(108件)
- 値段
- 定価 ¥1,650
書いている5人のひとりが千早茜さんで、松岡さんは千早さんの新刊『しろとくろの偏愛』も手に取っていました。千早さんとは、この前一緒に取材を受けたそうです(千早さんは、松岡さんが主演した映画『男ともだち』の原作者です)。
千早茜(絵・西淑)
しろとくろの偏愛(文藝春秋)

園児のころ、アルバムの好物を書く欄に「いも、もち」と記したという千早茜さんが、餅とチョコへの偏った愛をつづったエッセイ集です。「もちもちの向こう」「あまくて、にがい、ばくばく」の2部に33編を収め、西淑さんの絵が入ったオールカラーの本です。
- 出版社
- 文藝春秋
- 刊行
- 2026年9月
- 仕様
- 単行本・160ページ
- 楽天評価
- 3.7/5(29件)
- 値段
- 定価 ¥2,035
『魔女になりたい』|帯を書いた、親友の伊藤亜和さんの本
松岡さんが帯を書いたのが、伊藤亜和さんのこの本です。伊藤さんとは、去年ラジオで共演したのをきっかけに、幼少期や感じ方が似ていて仲良くなった「親友(マブ)」だそうです。
帯に「銀河」という言葉を書いたら、その言葉から濃紺と銀の宇宙をイメージした帯にしてもらえて、感極まったそうです。
伊藤さんの本は全部好きで、この本もとてもいい本だった、と話していました。
松岡さんの推しポイント
- エッセイの中に、物語の部分もある
- その物語も、伊藤さん本人がしゃべっているような曖昧さが良い
伊藤亜和
魔女になりたい(文藝春秋)

「死なない女」「私たちバニーガール」「あの日の始発の私たち」。目次には、そんな題が並びます。伊藤亜和さんが「現代の魔女」と呼ぶ女性たちとの交流をつづったエッセイ12編に、空想と現実を行き来する短い物語を1編加えた本です。伊藤さんの友人で、アメリカへ旅立つ女性も、その「魔女」の一人。
- 出版社
- 文藝春秋
- 刊行
- 2026年8月
- 仕様
- 単行本・176ページ
- 値段
- 定価 ¥1,760
伊藤さんがどんな人かを聞かれた第一声は「変な奴」で、伊藤さんには『変な奴やめたい。』というエッセイもあります。大胆に飛び込んで後悔はしていない格好いい人で、伊藤さんみたいになりたいと思うこともよくあるとか。
伊藤亜和
変な奴やめたい。(ポプラ社)

授業中に私語をせず、廊下も走らない。子どものころの伊藤亜和さんは、ルールに敏感な子でした。自分の「変」は、おそらく「真面目」から来ている、と本人は書きます。そんな「変な奴」から抜け出したくても抜け出せない日々を、ユーモアを交えてつづった連載に、書き下ろし5本を加えたエッセイ集です。
- 出版社
- ポプラ社
- 刊行
- 2025年11月
- 仕様
- 単行本・191ページ
- 楽天評価
- 3.3/5(20件)
- 値段
- 定価 ¥1,760
『イン・ザ・メガチャーチ』|オタ友の朝井リョウさんが、オタクも描いた小説
新刊の棚で「これヤバかった」と挙げたのが、朝井リョウさんの長編です。朝井さんとは、朝井さん原作の映画『桐島、部活やめるってよ』に出てからの縁。どちらもハロプロ(アイドルグループの集まり、ハロー!プロジェクト)が好きで、「オタ友ってことになるのかな」と話していました。
松岡さんいわく、この小説はまさにオタク(ファン)の世界も描いた作品。それなのに、オタクの朝井さんが書いたとは思えないほど、距離を感じたそうです。読んだ感想は「怖いぐらい面白かった」。
関連記事朝井リョウさんが1万円を手に本屋で買った6冊と、薦めた本まとめ(2025年・本ツイ!)
同じ「本ツイ!」の朝井リョウさんの回。『イン・ザ・メガチャーチ』の発売日に公開された回です。
朝井リョウ
イン・ザ・メガチャーチ(日経BP 日本経済新聞出版)

“物語”が人を動かすことの、良い面と怖い面。朝井リョウさんがそれを、“推し”を応援する世界で描いた長編です。視点は、ファンから離れた人、いま夢中になっている人、その熱を生み出す側の人の3人。2026年に第23回本屋大賞を受けました。
- 出版社
- 日経BP 日本経済新聞出版
- 刊行
- 2025年9月
- 仕様
- 単行本・448ページ
- 楽天評価
- 4.3/5(3,793件)
- 値段
- 定価 ¥2,200
朝井リョウ
桐島、部活やめるってよ(集英社文庫)

バレー部のキャプテン・桐島が部活をやめた、という1つの出来事を、同じ高校の生徒たちがそれぞれの場所で受け止めていく連作です。章の題はどれも語り手の名前。第22回小説すばる新人賞の受賞作で、文庫の解説は映画版の監督の吉田大八さんです。
- 出版社
- 集英社
- 刊行
- 2012年4月
- 仕様
- 文庫・256ページ
- 楽天評価
- 3.6/5(1,599件)
- 値段
- 定価 ¥660
本好きの原点は、模試で読んだ山田詠美さん
本をたくさん読むようになったのは、高校生のときだそうです。俳優の仕事に役立つかな、という気持ちもあったと思う、と言いつつ、オーディションにも受からず、学校に友達もいなくて暇だったのがきっかけ。そこから本が友達になったのだとか。
のめり込んだきっかけとして店内で探してくれたのが、山田詠美さんの本。出会いはその前、中学3年の模擬試験でした。
国語の問題文に『風葬の教室』が出て、面白すぎてもう1回読んだそうです。忘れられないのは「幸福な奴隷」という言葉。白でも黒でもないところがあるんだ、という衝撃で、その日の国語のテストは受けられなくなってしまったとか。

その言葉が衝撃で、その日のテストどころじゃなくなったってことね。
『放課後の音符(キイノート)』|単語だけを頼りに探して、最初に出会った山田さんの本
探していたのは、模試のあの1編。でも作者の名前も作品名も覚えておらず、手がかりは「幸福な奴隷」などの単語だけで、本屋を巡って調べていたそうです。探すうちに出会ったのが『放課後の音符』。探していた1編は入っていませんが、同じ山田詠美さんの本です。
きっかけ
模試の国語に出た文章
知ったもの
『放課後の音符(キイノート)』
本屋をたくさん巡っていて、そこからどうたどり着いたかは、誰かに「これじゃないか」と言われたのか、当時やっていたモバゲー(携帯電話のゲームサイト)で相談したのか、記憶はあいまいだそうです。
『放課後の音符』は、17歳の女子高生たちの恋を書いた短編集。松岡さんには「最高」で、忘れられない本だそうです。
関連記事三宅香帆さんの推し小説4冊と、登場人物に選んだKANEBOのルージュ|『ティファニーで朝食を』×V02ほか
『放課後の音符』を、三宅香帆さんは中学生のころによく読んだ「ルージュ小説」として紹介しています。
山田詠美
放課後の音符(キイノート)(新潮文庫)

「Body Cocktail」「Sweet Basil」、そして「Keynote」。英語の題が付いた8編で、17歳の女子高生たちの恋を書いた短編集です。背伸びした恋もあれば、片思いで終わる憧れもあります。あとがきの題は「放課後が大好きな女の子たちへ」で、解説は堀田あけみさん。
- 出版社
- 新潮社
- 刊行
- 1995年3月
- 仕様
- 文庫・224ページ
- 楽天評価
- 4.0/5(509件)
- 値段
- 定価 ¥649
『ぼくは勉強ができない』『学問』|続けて読んでいった山田さんの本
『放課後の音符』のあとも山田さんの本を読み続け、次は『ぼくは勉強ができない』。そこから、探していた模試の1編が入った本にたどり着くまでに、『学問』も1回挟んだ気がする、とのことで、『学問』も忘れられない話だそうです。
山田詠美
ぼくは勉強ができない(新潮文庫)

年上の恋人・桃子さんはショット・バー勤め。母と祖父は分かってくれるのに、学校では居心地の悪さを感じている。サッカーが好きで女性にもてて、勉強はできない17歳の高校生、時田秀美くんです。勉強より大切なことがたくさんあると考える彼の毎日を描いた、山田詠美さんの小説です。
- 出版社
- 新潮社
- 刊行
- 1996年2月
- 仕様
- 文庫・288ページ
- 楽天評価
- 4.1/5(1,286件)
- 値段
- 定価 ¥572
山田詠美
学問(新潮文庫)

高度成長期の海辺の町で育った、仁美・心太・無量・千穂の4人。友情とも恋とも言いきれない絆で結ばれた4人が、生と性に彩られた毎日を過ごしながら、大人の世界へ近づいていく時間を描いた山田詠美さんの長編です。
- 出版社
- 新潮社
- 刊行
- 2012年2月
- 仕様
- 文庫・384ページ
- 楽天評価
- 3.6/5(106件)
- 値段
- 定価 ¥737
『蝶々の纏足・風葬の教室』|模試で読んだ1編に、最後にたどり着いた
そうして山田さんの本を読んでいくうちに、最後に見つけたのが、模試で読んだ『風葬の教室』の入ったこの文庫でした。

覚えていた言葉を手がかりに山田さんの本を読んでいって、最後に模試の1編を見つけたってことね。
山田さんの作品から受け取ったものとして、松岡さんが挙げていたのはこんなことでした。
- 自分の考えていることは、変じゃない
- 白と黒じゃない正解がある
- レールから外れてもいい
- 自由と、それに伴う責任
山田詠美
蝶々の纏足・風葬の教室(新潮文庫)

「蝶々の纏足」「風葬の教室」「こぎつねこん」。「風葬の教室」では、いじめの標的になった転校生が、自分をはずかしめた同級生を胸の内でひとりずつ葬っていきます。「蝶々の纏足」の「私」が逃れたいのは、美しい親友えり子の支配。少女が女へ変わっていく時期を描いた、山田詠美さんの3編です。
- 出版社
- 新潮社
- 刊行
- 1997年2月
- 仕様
- 文庫・224ページ
- 楽天評価
- 4.1/5(261件)
- 値段
- 定価 ¥605
ずっと憧れていた山田さんとは、伊藤亜和さんの結婚式で同じ卓になったそうです。挨拶をして、山田さんと一緒に写真を撮ってもらい、お礼を言うと、山田さんがすっと近寄ってきて首筋をかぎ、「あなたいい匂い」。
そう言われて「私の何かが終わりました」。高校生のときから続いてきた山田さんとの物語が、そこで1回エンディングを迎えた、と話していました。山田さんの本で読んでいない本は、ないんじゃないか、とも話していました。
好きな作家と、人に勧める本
『勝手にふるえてろ』『ひらいて』|主演した映画の原作と、とても好きな1冊
綿矢りささんの2冊です。『勝手にふるえてろ』は松岡さんが主演した映画の原作で、『ひらいて』もとても好きだそうです。
綿矢りさ
勝手にふるえてろ(文春文庫)

恋愛の経験がないまま26歳になった会社員の良香。頭の中では、中学のころから片思いを続けてきた相手を思っています。そこへ、気にも留めていなかった職場の同期から告白されて戸惑い、良香は片思いの相手と会おうと動き出します。文庫には、もう1編「仲良くしようか」も入っています。
- 出版社
- 文藝春秋
- 刊行
- 2012年8月
- 仕様
- 文庫・224ページ
- 楽天評価
- 3.5/5(532件)
- 値段
- 定価 ¥737
動画では版の指定はありません(作品として紹介されていたので、いま新品で買える版にリンクしています)
綿矢りさ
ひらいて(新潮文庫)

綿矢りささんが『蹴りたい背中』以来、久しぶりに高校生を書いた小説です。主人公の愛は、華やかで男子にもモテる高校生。好きになったのは目立たない男子で、彼には手紙を交わし合う女の子がいました。それを知った愛は、恋をあきらめずに動き出します。
- 出版社
- 新潮社
- 刊行
- 2015年1月
- 仕様
- 文庫・192ページ
- 楽天評価
- 3.9/5(231件)
- 値段
- 定価 ¥572
新刊が出たら買う作家と、『地の果て、砂の祈り』
新刊が出たら買う(読む)作家として名前が出たのは、次の6人です。
- 小川洋子さん
- 宇佐見りんさん
- 金原ひとみさん
- 天童荒太さん
- 李琴峰さん
- 村田沙耶香さん
李琴峰さんの名前を挙げたとき、売り場の平台にあったのが『地の果て、砂の祈り』です。
李琴峰
地の果て、砂の祈り(集英社)

小学生のころ、RPG〈仙剣奇俠伝〉に夢中になった台湾の清猗と永真は、大学を出たあと、それぞれ日本へ渡ります(「東京奇俠伝」)。表題作では、台湾出身で日本に暮らす思云が、1か月前まで恋人だったりさとエジプトを旅します。李琴峰さんが、恋愛や友情のさまざまな形を描いた連作中編小説です。
- 出版社
- 集英社
- 刊行
- 2026年8月
- 仕様
- 単行本・192ページ
- 値段
- 定価 ¥2,090
『ラブレス』『ドミノ』|離れていた人たちがチームになる物語が、忘れられない
今ハマる物語でいうと、離れていた人たちが物語の中でチームになると、忘れられなくなって、そのことばかり考えてしまうそうです。例に挙げたのが、桜木紫乃さんの『ラブレス』と恩田陸さんの『ドミノ』でした。
『ラブレス』では、前に出てきた人がまた出てくるところに引き込まれ、たまらなかったラストシーンのことを、読み終えてもずっと考えていたそうです。『ドミノ』は、あちこちの人がつながる瞬間に、しばらく打ちのめされて、現実に戻ってこられないのだとか。
桜木紫乃
ラブレス(講談社文庫)

旅芸人の一座に飛び込んだ姉の百合江と、地元に残って理容師の道を選んだ妹の里実。道東の開拓村の、ひどく貧しい家に生まれた二人の人生はもう一度交わり、母や娘たちも巻き込んで数十年に及びます。島清恋愛文学賞の受賞作で、2013年の新潮文庫版に加筆修正した講談社文庫です。
- 出版社
- 講談社
- 刊行
- 2026年1月
- 仕様
- 文庫・400ページ
- 楽天評価
- 4.1/5(19件)
- 値段
- 定価 ¥891
恩田陸
ドミノ(角川文庫)

舞台は昼過ぎの東京駅。子役の女の子、恋人と別れたい青年実業家、大きな契約書を待つ会社員たちなど、互いを知らない大勢の用事が同時に動いています。小さな出来事がドミノ倒しのように次の出来事を呼んでいく、恩田陸さんの群像劇です。
- 出版社
- KADOKAWA
- 刊行
- 2004年1月
- 仕様
- 文庫・384ページ
- 楽天評価
- 3.9/5(1,075件)
- 値段
- 定価 ¥968
『生命式』|大好きな村田沙耶香さんの、よく人に勧める1冊
村田沙耶香さんは「大好き」で、本は全部読んでいると思う、とのこと。中でも『生命式』は、よく人に勧めるそうです。
棚の前では、読むと村田さんの中に入り込んでしまう、とも話していました。
「私が生きてきた世界って何だったんだろう
」
村田沙耶香
生命式(河出書房新社)

「素敵な素材」「素晴らしい食卓」「ポチ」「孵化」。村田沙耶香さんが自分で選んだ12編が並ぶ短編集です。表題作「生命式」で描かれるのは、亡くなった人を食べるという、新しいかたちの葬式。岸本佐知子さん、西加奈子さん、若林正恭さんらが推薦の言葉を寄せています。
- 出版社
- 河出書房新社
- 刊行
- 2019年10月
- 仕様
- 単行本・272ページ
- 楽天評価
- 3.8/5(293件)
- 値段
- 定価 ¥1,815
『旅をする木』|小さな世界で、前後左右が分からなくなったときに
「これ読んでほしい」と手に取ったのが、星野道夫さんのエッセイです。仕事で煮詰まったときなどに読んで救われたのが、自分がいま何をしていても、その瞬間にアラスカではオオカミが雪を踏みしめて歩いている、という描写だそうです。
松岡さん
こんな人に
- こんな人に:学校や会社、友人関係といった小さな場所が自分の全てになって、前後左右が分からなくなっている人
頭の中でいっぱいになった自分の世界を、外に出してくれる本(本人の言葉では「外部出力」)で、「しんどい子」にこそ読んでほしいそうです。
星野道夫
旅をする木(文春文庫)

アラスカ先住民の人々や、開拓の時代に移り住んだ白人たち。生と死が隣り合う彼らの暮らしを、写真家の星野道夫さんがつづったエッセイ33編です。1978年、初めてアラスカの地を踏んで以来、季節が正確にめぐるその大地で、自然と動物を撮り続けた日々の中での出会いが書かれています。
- 出版社
- 文藝春秋
- 刊行
- 1999年3月
- 仕様
- 文庫・256ページ
- 楽天評価
- 4.5/5(547件)
- 値段
- 定価 ¥770
『男ともだち』|主演映画の原作。帯は映画のポスター
千早茜さんの小説で、松岡さんの主演で映画になりました(三島有紀子監督・2026年11月6日公開)。文庫の帯が、映画のポスターになっています。
千早さんと一緒に受けた取材では、このタイトルは受け取る人によっては先入観を持たれるかもしれない、という話になったそうです。千早さんは、書いた10年前と今とで、男女や友達の概念が変わった印象があると話していたとか。
松岡さんによると、演じた主人公の神名は、子どもの頃の傷や壁に、30歳を前にして向き合うと決める人。絵を描く仕事でもう1枚上に行くために、選択肢の1つとして、その傷や壁と向き合うことを選んだ、彼女の強さの物語でもあるそうです。
千早茜
男ともだち(文春文庫)

大学時代、互いにいつも恋人がいながら、離れることのなかった男友達のハセオ。その彼からある日電話があり、二人は7年ぶりに会います。電話を受けたのは、イラストの仕事をする29歳の神名葵。同棲する恋人とのずれを感じ、本当に描きたかったものを見失いかけていました。直木賞候補作です。
- 出版社
- 文藝春秋
- 刊行
- 2017年3月
- 仕様
- 文庫・320ページ
- 楽天評価
- 3.9/5(419件)
- 値段
- 定価 ¥825
絵本と漫画の棚で話に出た本
『14ひきのひっこし』|子どもの頃からある「14ひき」のシリーズ
絵本の棚で、「14ひき」のシリーズは松岡さんが子どもの頃からある、と話していました(どの巻とは言っていないので、カードはシリーズの1作目です)。絵本は大人が読んでもぐっとくるそうです。
いわむらかずお
14ひきのひっこし(童心社)

森の奥の木の根もとに、ねずみの14ひき家族が新しい家を建てます。部屋は大人が1階、子どもが2階と3階。おじいさんとおばあさん、お父さんとお母さん、10ぴきのきょうだいの引っ越しを描いた、いわむらかずおさんの1983年の絵本です。
- 出版社
- 童心社
- 刊行
- 1983年7月
- 仕様
- 単行本・32ページ
- 楽天評価
- 4.5/5(104件)
- 値段
- 定価 ¥1,430
動画では巻の指定はありません(全集・シリーズの名前だけが話に出たので、そのうちの1巻にリンクしています)
『おくりものはナンニモナイ』|よく人にあげる絵本
よく人にあげる絵本だそうで、最初は松岡さんも人からもらったのだとか。「ナンニモナイ」をあげる話で、じーんとする絵本だそうです。
パトリック・マクドネル 作 / 谷川俊太郎 訳
おくりものはナンニモナイ(あすなろ書房)

猫のムーチが考えているのは、なんでも持っている友だちへの贈りもの。何をあげれば喜んでもらえるのか、うんと考えます。作者は、20か国の新聞で連載されたコミック「Mutts」で知られるパトリック・マクドネルさん。谷川俊太郎さんの訳で、原題は『The Gift of Nothing』です。
- 出版社
- あすなろ書房
- 刊行
- 2005年10月
- 仕様
- 単行本・52ページ
- 楽天評価
- 4.6/5(87件)
- 値段
- 定価 ¥1,540
『どこいったん』|大阪弁に訳された、帽子をさがす絵本
「これ大好き」と挙げたのが、ジョン・クラッセンさんの絵本を、絵本作家の長谷川義史さんが大阪弁に訳した1冊です。「ぼくのぼうし どこいったん?」と帽子を探す話です。関西弁で優しく語られるのに、機嫌よく読んでいると最後が少し怖いそうです。
同じように訳したシリーズが2つか3つある、とも話していて、それが『ちがうねん』『みつけてん』です。
ジョン・クラッセン 作 / 長谷川義史 訳
どこいったん(クレヨンハウス)

ぼうしをなくしたクマが、「ぼくの ぼうし どこいったん?」と、出会う動物たちに聞いて回ります。原題は『I Want My Hat Back』。作者のジョン・クラッセンさんが、はじめて文と絵の両方を手がけた絵本です。
- 出版社
- クレヨンハウス
- 刊行
- 2011年11月
- 仕様
- 単行本・33ページ
- 楽天評価
- —(楽天に無い)
- 値段
- 定価 ¥2,200
『天幕のジャードゥーガル』ほか|好きなトマトスープさんの3作
コミックの棚で「もともと大好きだった」と見つけたのが、トマトスープさんの『天幕のジャードゥーガル』です。アニメにもなっていて、原作の余白を広げたような素晴らしいアニメ、とのこと。トマトスープさんが好きで、『奸臣スムバト』『ダンピアのおいしい冒険』も読んでいるそうです。
物語を読むなら、『天幕のジャードゥーガル』の1巻からです。番組の画面に映った『もっと!天幕のジャードゥーガル』は、歴史の解説や人物紹介、描き下ろしの番外編をまとめた副読本で、物語の続きではありません。
トマトスープ
天幕のジャードゥーガル 1(秋田書店 ボニータ・コミックス)

モンゴル帝国の2代皇帝オゴタイの妃のひとりで、帝国に複雑な思いを抱くドレゲネ。13世紀、その帝国にとらわれて後宮で仕える身になった、イラン出身のファーティマが彼女と出会います。当時のイランは、医療や科学で世界最高水準とされていました。賢さが美しさとされる後宮が舞台の、歴史漫画の1巻です。
- 出版社
- 秋田書店
- 刊行
- 2022年8月
- 仕様
- コミック・192ページ
- 楽天評価
- 4.5/5(50件)
- 値段
- 定価 ¥880
動画では版の指定はありません(作品として紹介されていたので、いま新品で買える版にリンクしています)
トマトスープ
奸臣スムバト 1(新書館 ウィングス・コミックス)

兄エリクムとモンゴル側の天幕へ向かうスムバトは、胸の内に野望を秘めていました。13世紀半ば、ジョージア王国の領主たちは次々とモンゴル帝国へ寝返り、スムバトのいるオルベリアン家も寝返ります。ただ、この田舎貴族の家には秘密がありました。雑誌に載ったあと大きく描き直された1巻です。
- 出版社
- 新書館
- 刊行
- 2024年12月
- 仕様
- コミック・192ページ
- 値段
- 定価 ¥825
トマトスープ
ダンピアのおいしい冒険 1(イースト・プレス)

「無人島大学」「イグアナ・コレクション」「ジャングルの歩き方」。そんな題の章が並ぶ、17世紀の海の冒険と食の漫画です。物知りで好奇心の強い探検家ダンピアが乗り込んだのは、イギリスが認めた海賊船。知らない世界を食べて確かめていく話は、実在した人物と史実がもとになっています。
- 出版社
- イースト・プレス
- 刊行
- 2020年8月
- 仕様
- コミック・216ページ
- 楽天評価
- 4.4/5(14件)
- 値段
- 定価 ¥976
『あたしンち』|人生のバイブル。『あたしンち ベスト』の帯は巻ごとにちがう
「私の人生のバイブル」と言ったのが、けらえいこさんの『あたしンち』です。理由は、日常に馴染んでしまっているからだそうです。地方や海外に行くと、必ずホテルで『あたしンち』のアニメをつけるそうです。
「そうするとそこが家になる
」
1コマ目を見れば、その話を最後まで言えるのが特技だとか。
単行本は21巻で完結したあと、今は週刊誌『AERA』で新しい連載が続いていて、デジタルで描かれるようになり、よりチャーミングな絵になっているそうです。この新しい連載をまとめた単行本が『あたしンち SUPER』で、売り場では、3巻と「新作!!」の帯の4巻を手に取っていました。
けらえいこ
あたしンち SUPER 第4巻(朝日新聞出版)

けらえいこさんが選んだ62話が入った、週刊誌での新しい連載の4巻目です。描かれたのは2024年から2025年。母、父、みかん、ユズヒコのタチバナ家の毎日は、ここでも続いています。
- 出版社
- 朝日新聞出版
- 刊行
- 2026年2月
- 仕様
- コミック・128ページ
- 楽天評価
- 4.7/5(14件)
- 値段
- 定価 ¥990
もう1つ手に取っていたシリーズ『あたしンち ベスト』は、21巻までの話から、けらえいこさん自身が選んでまとめた別のシリーズ。巻ごとに、松岡さんが書いた別の帯が付いているそうです。帯の依頼には最低でも3つの案を出すようにしていて、出した案を全部使ってもらえたのだとか。
けらえいこ
あたしンち ベスト1 母じょうねつ編(朝日新聞出版)

第1話の「カラフル」から「明日は温泉!」「毛穴パック」まで、お母さんが主役の話を集めた1冊です。けらえいこさんが『あたしンち』の中から自分で選んだ話を、テーマごとにまとめた『あたしンち ベスト』の1巻目で、特別編「お母さんが、いちばん幸せだった日」も入っています。
- 出版社
- 朝日新聞出版
- 刊行
- 2019年12月
- 仕様
- コミック・168ページ
- 楽天評価
- 4.8/5(10件)
- 値段
- 定価 ¥1,078
買った5冊を並べてみて
買った5冊をこうして並べられると、少し恥ずかしいそうです。
「本を選ぶって人間の中身なんだな
」
それでも、満足度は「よいかな」とのこと。この日の買い物を終えて、本は1人で見るものだと思ったそうです。話しながら選ぶと考えていることを言葉にしないといけないけれど、本当は、もう少しダラダラ見ているそうです。
今回の記録:2026年11月、松岡茉優さんの回(26分14秒)で話に出た本を、買った5冊を含めて34冊、いま買える版まで確かめた(ほかに『どこいったん』と同じシリーズの絵本2冊)。 結論:話に出た本を、いま買える版まで一覧にできた。
この回で話に出た本、気になった人は買ってみてください。
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